YouTubeが香港デモの印象操作した210チャンネルを閉鎖、背後に中国政府の存在?
緊迫した状況に国際社会が中国けん制
警察当局は、抗議参加者を約10万人としているが、デモ隊側は、約50万人と主張している。このところ、大規模なデモ隊は、過去の抗議活動中の警察の残虐行為の疑いを調査し、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任を要求するようになっている。
英国統治を経て1997年に返還となり「一国二制度」の原則が適用され、50年間の高度な自治が認められているはずの香港だが、香港政府は、親中国派になるような制度になっており、必ずしも民意は反映されない。そして近年の中国中央政権の強大化に伴い、じわりじわりと中国化へ向けた圧力を強めている。
中国中央政府が、香港への管理を強化しようとする流れの中で、抗議者たちは、より広範な民主主義を要求し、香港国際空港を占拠するなど、勢いが増している。中国は、戦車や海上からの砲撃等で群衆を鎮圧する軍事演習の映像を公開し、香港市民を威嚇。また、香港との境界のすぐ反対側の広東省深センに大規模な武装警察部隊を配備し、その人員は19万人とも言われ、緊張が高まっている。
中国共産党が自国民に武力行使し、民主化運動を封じ込めた1989年の天安門事件が脳裏をよぎるこの状況を、国際社会は注視。米国は暴力行使を自制するように中国をけん制しているが、果たしてこれらSNSプラットフォームなども舞台となった騒動は、どのような形で沈静化するのだろうか。
(画像=PhotoAC)
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。