YouTuberの動画時間、なぜ年々長くなる? 人気チャンネル5組の動画より考察
もっとも、上記のようなクリエイター側の都合だけではなく、視聴者側の変化にも要因はあると考えられる。総務省『平成29年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』によると、「10代及び20代の若年層では、テレビ系動画の平均利用時間は平日休日ともに減少傾向が継続している一方で、ネット系動画の平均利用時間は概ね増加傾向にある」とあり、今後もこの傾向は強くなることが予想されている。特に若年層において、YouTubeの動画は「空き時間にサクッと見る」ものから、場合によってはかつてのテレビ番組を代替するエンターテイメントとして受容されるようになっており、「長時間の動画に短い広告が挟まる」という、“ながら見”にも適したスタイルが受け入れられやすくなっていると考えられる。
YouTubeというプラットフォームの仕様変更や、視聴者の意向を細やかに汲み取り、日々の動画制作に反映するフットワークの軽さは、YouTuberの強みだと言えるだろう。昨今話題になることが増えた“規制強化”も含めて「動画のあるべき形」が日々変わっていくなかで、YouTuberが生き残ることができるかどうかは、その観察眼と実行力にかかっているのではないか。
(文=堀田愛美)