Facebook、またしてもプライバシー保護に問題 音声チャットを人間に聴かせていたと認める

欧州でも調査開始 WhatsApp統合への影響は?

 Facebookは先日、個人情報保護の不備により、米国の連邦取引委員会(FTC)から50億米ドルの制裁金を科されたばかりだ(参考:Facebookが個人情報管理問題で窮地に?)。

 EU内でFacebookのデータ保護に関する監督を行うアイルランドのデータ保護コミッショナー報道官は「問題になっている処理に関するFacebookからの詳細情報と、そのようなデータ処理が一般データ保護規則(GDPR)の義務に準拠しているとFacebookがどうして考えているかについて現在、調査中です」とBBCに伝えている(参考:https://www.bbc.com/news/technology-49343262

 人間がユーザーのプライベートな会話を聞いていることが明らかになった企業は他にもある。4月にはAmazonのAlexaがプライベートな会話を録音していることが表面化し、7月にはAppleの請負業者がSiriの会話を聴いていたことが明らかになったし、同じく7月にはGoogle Assistantでも同様のことが行われていたことが分かった。8月には、Skype通話もMicrosoftの委託先により聴かれていることが明るみに出ている。

 米国では7月下旬、セス・モールトン議員が、デジタルアシスタントが不当に私的な会話を録音した場合、連邦取引委員会(FTC)が最大で4万米ドルの罰金を科すという「自動聴き取り搾取アクト」と呼ばれる法案を提出した。

 2018年時点で、Facebook Messengerユーザーは13億人だが、今後WhatsAppとの統合が検討されている。今回の問題はその方針に影響を与える可能性も否定できない。

■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。

関連記事