『ボーダーランズ3』制作陣インタビュー 『MGS』や松本大洋作品からのインスピレーションも?

意外な作品がキッカケとなった”キャラクターデザインの手法”

ーー続いてスコットさんに伺います。キャラクターデザインと世界観のイメージ設計でこだわり抜いたポイントはありますか?

スコット:アートディレクターという役割は本作が初めてでしたが、これまで『ボーダーランズ』や『ボーダーランズ2』でキャラクターセッティングに関わってきました。最も思い入れがあるのは、やっぱり”キャラクターそのもの”なんです。

 シューティングRPG……RPGということは役割を演じる「ロールプレイ」ですよね。キャラクターを描くにあたって、どんなストーリーであるかを知る必要もなく、そのキャラクターの声を聴くまでもなく、見ただけで「多分こんなキャラクターなんだろうな」という想像力のワクワク感と言いますか、そういったところを大事にしています。キャラクターの見た目というのはキャラクターのパーソナリティを表していると思うので、アートディレクターとして凄くこだわりを持ちました。

ーー説明しなくても「見て感じ取れるキャラクターデザイン」ということですね。

スコット:キャラクターを見て「自分がなりきりたいのはこれだ!」とすぐ選びたくなる、みたいな。私がプレイヤーだったら、キャラクターを見た瞬間に”ドキュン”と来るものがほしい。「あ、こいつだ!」というものがインスピレーションとしてほしいんです。キャラクターに特徴がないと、名前がなかったり顔がないのと同じで、ビビッとくるものがないと思います。

ゼイン

ーースコットさんは以前、プレイアブルキャラクターの「ゼイン」について、『カウボーイビバップ』に登場する「スパイク・スピーゲル」のテイストが入っていると発言されていました。他にも参考にしたキャラクターはいますか?

スコット:キャラクターに関しては、カプコン作品や『メタルギアソリッド』シリーズの主人公「ソリッド・スネーク」などからもインスピレーションを得ています。他にも、キャラクターの一人「アマーラ」の原点はインド人の特徴を、「モズ」はアメリカの映画『タンクガール』のパンクなイメージを取り入れました。どのキャラクターにも言えることですが、パンクやストリート系のテイストが原点にありますね。

モズ

ーーストーリー全編を通して登場する「カリプソ・ツインズ」のキャラクターデザインも特徴的ですよね。

スコット:彼らは『鉄コン筋クリート』の兄弟キャラ「シロ」と「クロ」からインスピレーションを受けました。

カリプソ・ツインズ

ーー松本大洋の名作とリンクしていたとは!

スコット:ビデオゲームではない、他のクリエイティブな世界からインスピレーションを得て、それを原型にブラッシュアップを図ることもありますよ。日本の作品が元ネタになっているものは少なくありません。

ーーペット(サポートキャラクター)を操る「FL4K(フラック)」の制作にはどこからインスピレーションを得ましたか?

スコット:ひたすら「ロボ」ですね。しかし完全に機械と言うわけではなく、人間の心を持ちながら、帰る場所を無くしたロボットをイメージしています。

FL4K

ーー最後に、『ボーダーランズ3』から初めてシリーズの世界に触れるユーザーにアドバイスをお願いします。

アンソニー:FPSの経験がある方ならどなたでも凄く楽しめると思います。何よりキャラクターの設定、特にアクション部分のスキル構築やカスタマイズの幅がとにかく広いです。ぜひ手に取ってプレイしてみてください。

スコット:どなたでも絶対に「ここ分かる!」と楽しさを発見できる部分がありますので、それが魅力かなと思います。

(取材・文=龍田優貴/撮影=中村拓海)

第1弾:オペレーティブ「ゼイン」のプロフィールトレーラーはこちら

第2弾:ガンナー「モズ」のプロフィールトレーラーはこちら

第3弾:セイレーン「アマーラ」のプロフィールトレーラーはこちら

第4弾:ビーストマスター「FL4K」のプロフィールトレーラーはこちら

『ボーダーランズ3』日本公式サイト

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