ファーウェイ、独自OSで米中貿易戦争へ対抗 Androidよりも「安全・高速・柔軟」?

「HarmonyOS」は「混沌」と「調和」のどちらを生み出すか

 中国共産党が支配する中国では、言論統制を行うために、民主主義陣営で開発されたインターネットサービスを半ば遮断した情報鎖国状態(グレート・ファイアウォール)を敷いた。結果的にそれは14億人に迫る国内市場だけでも十分に成り立つ経済圏のなかで中国独自のインターネット産業を生み、力を蓄えた中国のテクノロジー企業は、世界中で存在感を増しつつある。現在進行する米中の貿易戦争が収束しなければ、中国のテクノロジー業界はガラパゴス化が進み、この巨大市場への海外企業の参入障壁は、更に高いものになるだろう。

 「HarmonyOS」は、中国名の「鴻OS(Hóngméng)」の発音が複雑なため、音が似た英語の「Harmony」が使われたという。「鴻蒙」とは、古代中国の神話で、宇宙創成前の「混沌」とした時代のことだ。「混沌」と「ハーモニー」(調和)は、ファーウェイの置かれた現状と願いを如実に表す言葉ではないだろうか。

■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。

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