マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ、「政府が大手テック企業を規制すべき」との見解示す

 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は6月24日、世界的なリーダーを招きフォーラムを行うアメリカの非営利団体「エコノミック・クラブ・オブ・ワシントンDC」で講演を行い、政府がテクノロジー企業を規制すべきだとの私見を述べた。

テクノロジー業界で噴出するデータ管理とセキュリティ問題

 最近では、とりわけFacebookによるユーザープライバシーやデータセキュリティに関する度重なる不祥事に対する関心が世界中で高まっているが、ゲイツ氏は「テクノロジーセクターには、更なる規制がつくられるでしょう。現在、人々のメディア消費の仕方は、利益がネガティブな部分を上回るようにする必要がある領域まできています」と予見した。

 これを受けたCNNは、「政府が大手テクノロジー企業を規制すべきだとビル・ゲイツが見解」と報じた(参考:https://edition.cnn.com/videos/tech/2019/06/25/bill-gates-big-tech-regulation-economic-club-sot.cnn)。記事内ではゲイツ氏による「テクノロジーは、政府が考慮しなければならない、中心的なものになりました。それが、選挙にどういった意味を持つのか。いじめについては、どういう意味があるのか。行政を通信傍受して財政状況を知る。そして麻薬関連のマネーローンダリングについて知るといったことについてはどうでしょうか。だから、政府が関与する必要があるのです」という発言を紹介している。

 Facebookは、個人が主役となる画期的なメディア、ソーシャルネットワーク(SNS)を確立したが、一方で、フェイクニュース、過激な思想や言動、ライブストリーミングの乱用といった暴走も招いており、創業者のマーク・ザッカ―バーグ氏も、解決のためには行政との協力が必要だとしている(参考:https://www.bbc.com/news/world-us-canada-47762091

異端児のゲイツ氏、ITバブル期には行政がマイクロソフトを提訴

 IT革命の黎明期を切り拓いたマイクロソフトとゲイツ氏。しかしITバブル真っ盛りの当時、マイクロソフトやIT業界全体が異端の様にみられていた感もあり、行政との関係は必ずしも良好ではない時期もあった。

 1998年には、マイクロソフトが独占的立場を利用し競合他社の競争力を削ぎ、消費者の利益を損なったとして、米司法省、米19州、ワシントンDCが提訴し、後にマイクロソフトと和解が成立した。この訴訟を受け、マイクロソフトは、事業戦略の練り直しを迫られ、それは現在のテクノロジー業界全体にも影響を与えている(参考:https://www.wired.com/story/what-microsofts-antitrust-case-teaches-us-about-silicon-valley/)。

 ゲイツ氏は同記事で「マイクロソフト初期のころは、(米国連邦政府のある)ワシントンDCにオフィスがないことを自慢していましたが、それはワシントンDCをあざけるようなもので、後々その発言を後悔するようになりました」と当時を振り返っている。

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