新型iPhone 11 Max対応ケースがイギリスで早くも見つかる 新型iPhoneも3モデル体制か?

真のイノベーションは2020年?

 以上のような新型iPhoneの予想仕様を見ると、結局のところ「確実に進化しているが、革新的なイノベーションはない」という近年のiPhoneのトレンドをなぞっているに過ぎない、と思われてしまう。もっとも、市場関係者のあいだでは2020年こそイノベーションの年となるという見方が広がっている。

 Apple関連ニュース専門メディア『MacRumors』が17日に公開した記事では、iPhoneの仕様予測で世界的権威であるアナリストのMing-Chi Kuo氏が作成したレポートが紹介された。そのレポートによると、2020年にリリースされる3モデルの新型iPhoneのうち、ふたつの最上位モデルが5Gに対応する、とのこと。iPhoneの5G対応に関しては、Appleと大手チップメーカーQualcommの関係が悪化したことによって対応が危ぶまれたのだが、関係が改善したことにより来年には対応する見通しとなったのだ。なお、2021年にはすべての新型iPhoneが5Gに対応するとも見られている。

 しかしながら、5G対応はイノベーションと言うほどのものではないだろう。真のイノベーションとは、2020年に待望のApple製ARメガネがリリースされることである。ARメガネに関してAppleは一切コメントしていないが、登場するまでの布石が整いつつある。『CNET』は6日、Apple主催の開発者会議WWDC19で発表されたAR関連技術こそがARメガネ登場の布石であると論じる記事を公開した。その記事でとくに注目しているのが、フォトリアルなARオブジェクトを活用したコンテンツを簡単に作成できるツール「Reality Composer」である(下の画像参照)。このツールで作成されたARコンテンツはApple製品のみに対応している。こうした仕様からは、近い将来ARメガネを中心としたApple製品だけで体験できる閉鎖的なARコンテンツ市場を形成する目論見がうかがえるのだ。

画像出典:Apple Newsroom「Apple、アプリケーション開発のための画期的な新しいテクノロジーを発表」

 今年の新型iPhoneが現行モデルの改良に留まったとしても、Appleからイノベーションを起こすちからが失われたと判断するのは早計である。同社が真のちからを示すのは、来年なのかも知れない。

トップ画像出典:9to5Mac「iPhone 11 Max case renders showcase camera bump, redesigned mute switch, more」より画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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