Google、米政府“大統領令”でファーウェイ端末Android OS利用制限へ 日本への影響は?

日本での影響は?

 ファーウェイのAndroid OSへのアクセス制限は、日本における同社製スマホにも影響が出るだろう。まず、すでに同社製スマホを使っているユーザは、今後OSアップデートが出来なくなる可能性がある。もっとも、前述したようにアクセス制限の範囲に関して、Googleが議論している最中なので影響範囲も流動的だ。

 同社製の新作スマホに関しては、あくまでAndroid OSを採用したうえで独自アプリを実装したものになるかも知れないし、あるいは独自のOSとアプリを採用した「ファーウェイ純正スマホ」となる可能性もある。しかしながら、Google Playストアが使えないかも知れないスマホをユーザが受け入れるかどうかは未知数だろう。

 ファーウェイ純正スマホが実際に開発されたとして、果たして日本の通信キャリアがそのようなスマホを商品として取り扱うか、という問題もある。日本においてはファーウェイとのビジネス禁止措置はまだないものも、今後アメリカと足並みを揃える可能性も否定できない。そのようなリスクのある企業の商品を積極的に売り出すかどうかに関しては、大いに疑問の余地がある。そもそも「ファーウェイ純正」というのは、見方によってはAndroid OS以上に安全保障上の懸念があるとも言える。

 今回の報道で明らかになったのは、アメリカ政府と対立するとGAFAとの関係も悪化する、ということだ。世界各国の政府と企業は、この明るみになった事態をふまえてファーウェイへの対応を決めることになるだろう。

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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