新シーズンの前に『テラスハウス』軽井沢篇の魅力を徹底検証:前編(1話~16話)


 2017年12月から2019年2月までの期間中、全49話がNetflixにて配信された『
TERRACE HOUSE OPENING NEW DOORS』。これまで全16人が入居し、様々なドラマが展開された。本稿では全3回に分けて、軽井沢編の物語を追いながら、『テラスハウス』そのものの魅力を明らかにしていきたい。

 これまでは湘南、東京、ハワイと「海と都会」が舞台となってきた『テラスハウス』だが、今回の舞台は長野県・軽井沢。さらにテラスハウスシリーズ史上最大の大豪邸となり、窓からの風景も紅葉や雪景色など、季節の移り変わりを強く感じるものとなった。

 最初に入居したのは、男性メンバーとしてプロスノーボーダーの中村貴之、モデルの岡本至音、料理人志望の新井雄大、女性メンバーとしてアイスホッケー選手の佐藤つば冴、女子大生の小室安未、フリーライターの治田みずきの全6名だ。プロスポーツ選手の入居で、競技に打ち込む姿が見られるのもポイントだ。


 また、軽井沢在住のメンバーも多く、デートもメンバーゆかりのお店へ訪れたり、軽井沢の地元に根ざしたスポット、近くの草津などの観光地も紹介され、見ていると足を運びたくなる視聴者も多かったのではないだろうか。

 また、テラスハウスは当然、住居人の恋愛模様や夢に向かって進む姿を見て楽しむこともできるが、YOU、徳井義実、馬場園梓、トリンドル玲奈、山里亮太、葉山奨之たちスタジオメンバーのコメントを副音声で聴きながら楽しむのもおすすめだ。台本がない分、人間関係が生々しく、全てが映ってしまうリアリティーショーは苦手な人も多いかもしれないが、スタジオメンバーのコメントはそんな視聴者の本音を代弁してくれるようなものが多く、特に山里のコメントは尖っている。YouTube上に「山チャンネル」という配信後に山里が思いの丈をぶちまける動画が上がるほどだ。このように、少し斜に構えて見るユーザーにも楽しめる設計になっているのも、本作の魅力だ。

 そんな山里がロックオンするメンバーも多く、軽井沢編前半で特に印象的なメンバーといえば、雄大だろう。入居当日から「今、彼女がいないから彼女感覚で」とパンダのぬいぐるみを2つ持ってきて、自分のベットの両端に置いてみたり、「子犬っぽいと言われるのでお母さん犬が欲しい」と言ってみたりと、かなりの天然。親のクレジットカードを使い買い物をしてしまうなど少し問題行動も目立ち、そんな雄大にみずきが苦言を呈したり、最初は優しく注意していた貴之が厳しくたしなめる場面もあった。


 そんな問題がありつつも、爽やかな恋愛事情も展開。至恩がつば冴を温泉デートに誘い距離を縮め、その後もデートを繰り返し、仲を深めていく純粋な2人の姿に癒された視聴者も多いはずだ。

 そんな一方で雄大は安未に猛アタックを開始するも、デートがうまく決まらなかったり、間違えた方向への”オラオラ感”を出してしまい安未に「あの人無理だったから安未の世界から消したの」と言われてしまうなど、すれ違いも生じていく。安未は可愛らしいルックスと口数が少なさから、男性から見ると読めない部分があり、そのミステリアスな魅力に惹かれるメンバーが続出。貴之や雄大が卒業したあとに入居してくる上村翔平も、彼女の虜となっていた。

 前半ではみずきと雄大が卒業を決め、その後、翔平とまさかのテラスハウスのレジェンド・島袋聖南が入居。雄大が卒業した後は貴之と翔平が安未にアタックをはじめる。また貴之は安未に指摘されたひげを剃り登場するも、「あと5歳若かったら」と言われてしまうなどうまくいかなかった。そんななか、安未はモデルを目指すために東京にいることがベストだと考え、卒業を決めるのだった。

 ここまでが1話~16話までの大まかな内容だ。19歳から32歳年の離れたメンバーが揃っているが、雄大を除き、皆大人で落ち着いている。とてもいい関係が築けていて、テラスハウス内の秩序も守れていたように感じる。次回は若いメンバーが卒業し、さらに大人な雰囲気で進む中盤を解説していこう。

(中編はこちらから:https://realsound.jp/tech/2019/03/post-328051.html
(後編はこちらから:https://realsound.jp/tech/2019/03/post-334997.html

(文=平岩知花)

「TERRACE HOUSE OPENING NEW DOORS」はNetflixで配信中、フジテレビにて毎週(月)24時25分~放送中。
公式サイト:http://www.terrace-house.jp/openingnewdoors/
(C)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

関連記事