タワーレコードが“5G時代の音楽エンタメ人材を育成”する『TOWER ACADEMY』を開校
タワーレコードが新規事業として、5G時代の音楽エンタメ人材を育成する「TOWER ACADEMY(タワーアカデミー)」を開校することを発表した。
これは、2月15日に行われた記者発表会で明らかになったもの。この日はタワーレコード新規事業「TOWER ACADEMY」校長&タワーレコード株式会社 代表取締役副社長の伊能美和子氏が登壇し、TOWER RECORDSの日本上陸40年という節目を迎えた同社の新規事業であることを明かした。
伊能氏は「これからは世の中がデジタルトランスフォーメーションしていくなかで、新しい音楽体験を作っていきたい」ということで、タワレコが強みとしているリアル・フィジカルな発信と、環境やユーザー嗜好の変化を先取りした積極的なデジタルな提案ができる、“エンターテック”“サイバーフィジカル”に精通した人材を輩出することが目的だという。
これまでも、親会社のNTTドコモでは“新体感”をキーワードに、2017年ごろからライブ会場やネット上などで数々の音楽と通信にまつわるプロジェクトを行ってきた。昨年末のPerfumeカウントダウンライブで、渋谷駅周辺と連動したパフォーマンスが行われたことも記憶に新しいし、タワーレコードでは協業で作ったマルチアングルで楽しめる音楽商品や「ARフィギュア」の販売もスタートしている。伊能氏は通信の5G化によって「大容量化」「高速通信」「低遅延、高信頼性」「超多数端末の同時接続」「低コスト化」を実現した社会において、“モノ”から”コト”になるスピードがより加速することなどを踏まえ、これらの取り組みが持つ重要性を語った。
そのうえで設立される「TOWER ACADEMY」は、「学び」「コミュニティ」「人材輩出」のサイクルを回して、業界全体のデジタルトランスフォーメーションを推し進めるものだという。「学び」については、ライブ×音楽・カルチャー×音楽・ビジネス×音楽・映像×音楽・ICT×音楽という、音楽と5Gを中心に据えたそれぞれの分野での講座を開き、映像×音楽ではプロジェクションマッピングなどに使われる映像加工ツール「TouchDesigner」の使い方を学んだり、カルチャー×音楽では映画『ボヘミアン・ラプソディー』を対象にするそうだ。
また、場所についてはタワーレコード渋谷店 地下1階にある「CUTUP STUDIO」を利用するほか、講座内容に応じて適した場所を選ぶなど、臨機応変に実施していくという。将来的には受講者が事前にオンラインで予習し、実際の講座を議論の場にする、というアイデアもあるらしい。
伊能氏の発表が終わると、TouchDesignerエバンジェリストの松山周平氏が登場し、同ツールの解説を行ったり、NTTドコモ スポーツ&ライブビジネス推進室 室長の馬場浩史氏、デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏、株式会社セブンスセンスの吉田拓巳氏の3人が登壇し、「スポーツ」や「ライブ」と「通信」の視点から、5G時代のエンタメについての議論を交わしたりと、盛りだくさんの内容で同発表会は終了となった。
(文=編集部)