星野源「POP VIRUS PLAYER」に見られる“ルーツ”とは? 一風変わった視聴方法について考える

 約3年ぶりの発売となった、星野源の5thアルバム『POP VIRUS』。星野源といえば、現代のJ-POPシーンを牽引する存在として、確固たるポジションを築いたアーティストと言える。「恋」や「Family Song」などヒット曲を連発しつつ、「イエローミュージック」というジャンルを確立し、唯一無二の楽曲を多々発信し続けてきた。しかし彼が注目されているのは、多くの人に受け入れられている楽曲だけが理由ではない。

 プロモーションに関しても、ちょっと変わった、ありそうでなかった方法が多々存在するのである。例えば、2018年8月20日に配信リリースとなった「アイデア」。MVは300平米を超える空間に作られた大型セットに、70台以上の固定カメラを設置し、撮影されている。編集点が非常に少なく、一見するとワンカメ撮影風にも見える。テンポよくカメラアングルが切り替わることで様々な表情が見えるのが面白い。さらに特筆すべきは、ダンサーたちの入り・捌け、スタッフの動きまでもがMVの世界観のひとつとして収められている点。通常、編集して切り離してしまう点すらも、作品の一部として盛り込んだことは新しさのひとつではないだろうか。

 また、宣伝トラック「アイデア号」にも一工夫されていた。宣伝トラック自体は珍しくないのだが、走行スケジュールをHP上にアップし、「写真を撮ってTwitterにハッシュタグ“#星野源”、“#アイデア”をつけてツイートして下さい」と告知。走行予定場所にはファンが待ち構えているという現象も生まれた。何かとTwitterのトレンド入りを果たしている星野らしい、Twitterを味方につけたプロモーションを展開したのである。他にも、「アイデア」は配信限定リリースだったため、会員サイトで歌詞や写真、インタビューが収録されているCD-Rを発売。自分でCD-Rへ書き込みを行ない、手元に残しておけるという工夫もなされていた。

 次々と“ちょっと変わった”取り組みを行なっている星野だが、今回発売される『POP VIRUS』でも面白いプロモーションを行なっている。それが「POP VIRUS PLAYER」だ。「POP VIRUS PLAYER」とは、『POP VIRUS』の楽曲を一部視聴できる位置情報システムを利用した音楽プレイヤー。プレイヤーを起動させると、自分のアイコンと地図が表示される。その地図上には、“POP VIRUS”に感染した地域が赤く表示されており、そのエリアに入ると自分も“POP VIRUS”に感染。すると楽曲を試聴することができるようになる、というものだ。感染者(視聴できる人)を増やすためにSNSでシェアをしたり、街を歩きながら感染者を広めたりというゲーム性もあり、ついついプレイしてしまう。

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