PSクラシックのデバッグモードが発見される タイトルの追加も可能になるか?
今月3日にリリースされたゲーム機「PlayStation Classic」は、PlayStationの名作ゲームが再びプレイできるということで大きな期待が寄せられていた。そんなゲーム機に、ユーザのハックを可能とする裏口が発見された。
USBキーボードを挿せば……
テック系メディア『The Verge』は4日、PlayStation Classicのデバッグモードにアクセスする方法を報じた。アクセス方法を発見したのは、レトロゲーム機を修理する動画を公開しているYouTubeチャンネル「RETRO GAMING ARTS」である。その方法は極めて簡単で、特定のUSBキーボードを同ゲーム機に接続してEscキーを押すだけである。
デバッグモードにおいて表示されるメニューには、ゲームの保存とロード、オーディオ設定といった基本的なものに加えて「CDイメージのロード」というものもある(トップ画像と下の動画を参照)。The Vergeは「CDイメージをロード」というメニューに関して、このメニューを使えばユーザが同ゲーム機にゲームを追加できる可能性がある、と指摘している。ちなみに、同ゲーム機でプレイできるゲームは内蔵された20タイトルに限られている。
デバッグモードにアクセスできるUSBキーボードには、件の発見動画で言及されているLogicoolブランドを展開するLogitechのもののほかに、Corsair製のK70とK95が確認されている。なお、デバッグモードにアクセスする行為はメーカーに保証されたものではないので、実行した場合にはゲーム機が破損する可能性がある。それでも試したいユーザは、あくまで自己責任のもとで行うことを肝に銘じておこう。
『PlayStation Classic』、世界での評価は?
『PlayStation Classic』は全世界で大きな期待を寄せられていたのだが、あまりに名作が多く、プレイヤーによって思い入れもさまざまなためか、そのレビューは世界的に荒れ模様である。例えばUS版Yahoo! Financeのレビューでは、収録タイトルに『クラッシュ・バンディクー』や『スパイロ・ザ・ドラゴン』が含まれていないのは犯罪的であるとしている。
収録タイトルに並んで批判が集中しているのが、ゲームの画質である。この問題は、収録タイトルの信号規格としてNTSCとPALのふたつが混在していることに起因している。PS1がリリースされた1990年代は、世界ではまだアナログテレビが使用されていた。アナログテレビの信号規格には日本やアメリカで採用されていたNTSCと、ヨーロッパやオーストラリアが採用していたPALがあった。EU版PlayStaion公式ブログによると、同ゲーム機にはNTCS規格のものが11タイトル、PALのものが9タイトル収録されている。どの地域でも同じ品質でプレイできるように調整されたうえでリリースされているはずなのだが、規格の違いによると思われる不具合に関して世界各地で非難するレビューが噴出している。
ヨーロッパのゲームメディア『EUROGAMER』は、NTSC規格のゲームの画質が悪いことを指摘したうえで、PAL規格のゲームをプレイすると画質がさらに劣化すると非難している。
またUS版CNETは、アメリカでPAL規格に対応したゲームをプレイすると本来のフレームレート(1秒間に画面を描画する回数)より遅く描画され、ゲームの操作感が遅く感じることを報じている。同メディアは現地のSony法人に問い合わせたところ、問題は把握しているが詳細はコメントできない、という旨の回答が得られたとも伝えている。
デバッグモードについて報じた前出のThe Vergeの記事では、デバッグモードを利用すれば信号規格に端を発する問題をユーザがハックすることで解決できるのではないか、と述べている。