事件後の田中聖と舌ベロポーズ!? ︎Wコウジの実力を100%解放する『カリギュラ』シーズン2に注目

『カリギュラ』シーズン2に注目

 Amazon Prime Videoで配信中の『今田×東野のカリギュラ』シーズン2がAmazon.co.jpカスタマーレビューが星5つのうち4.5と好評だ。(11月29日時点、レビュー総数:156)

 松本人志の『ドキュメンタル』では人気芸人たちがすべてを丸出しにして笑いを取り、浜田雅功の『戦闘車』では人気タレントを載せた車がハリウッド映画さながらに横転するーー。Amazon Prime Videoでは地上波ではアウトな番組が見られるというイメージも定着してきたが、その中でも『今田×東野のカリギュラ』が群を抜く人気を誇るのはなぜなのか。回を追うごとに明らかになるのは、奇想天外な企画が、過激派芸人として一世を風靡し、現在はMCとしてキャリアを重ねてきた今田耕司と東野幸治の芸人としてのフルパワーを遺憾なく発揮できる構造だ。

 そもそも今田と東野=通称「Wコウジ」は、『4時ですよーだ』や『やりすぎコージー』と数々の名バラエティ番組で二人でMCを担当。ネタやロケにおいても明石家さんまに「お笑い界の飛車角」と言わしめるほどの実力を持つ。コンプライアンスを重視せざるを得ない地上波では、街ブラ番組やクイズ番組でお茶の間を和やかに沸かすマルチ芸人だが、『今田×東野のカリギュラ』ではまるで重しを外したかのように暴れまわる。東野はキャラクターがブレるのではないか、と心配になるほど真剣な眼差しで自ら鹿、猪を命がけで狩り、解体し、食す。

 シーズン2では鳥類で最も賢い頭脳の持ち主といわれるカラスと対峙している。今回も前シーズンと同じく、解体シーンでは血や内臓にモザイクはかかっていない。ネットの素人がアップした低解像度の映像でも、プロの特殊造形班が作った美術でもない、リアルすぎる解体描写が高画質で映る。取り出される内臓のアップには「いくら何でも……」と目を背けた視聴者も多いだろう。同時に、刺激的な部分も包み隠さないリアルな映像は、多くの人々を魅了している。

 今田もシーズン1の最終回「自作自演やらせドッキリ」の企画で一日5回もセクシー攻撃を受けるロケを敢行。キャバクラ風のセットで胸を揉みしだき、陰部まで手を伸ばし、セクシー女優に乳首をイジられる姿は、今田がMCを務める紀行番組『アナザースカイ』を観ている視聴者にはキツいかもしれない。しかし、“芸人・今田耕司”の本質的な面白さを十全に伝える内容だ。

 地上波のイメージを躊躇なくかなぐり捨てる二人は、後ろ盾がない若手芸人よりも“撮れ高”に貪欲だ。また、過度なお色気やグロテスクさによって、凍りついた状況でも、キャリアを感じさせる対応力でバラエティ番組としてのトーンを整える。

 そんな二人の最高傑作が今回公開されたシーズン2の最終話「今田・東野世界へ飛ぶ」だ。シーズン1でも話題を博した、人間に簡易的な羽をつけ、何メートル飛べるか、「火の鳥」としての表現力を出せるか、を競う「人間火の鳥コンテスト」に今田と東野が挑戦する。

 前回は火だるまになった矢口真里が頭から落下する姿を笑う他の出演者に対して、審査員の山下真司から「危険すぎるよ、笑ってる場合じゃない」と真剣なツッコミが入るなど、命の危険を感じさせる迫力満点の画が話題となった。そんな第一回大会の優勝者は平成ノブシコブシ吉村。カースタントを引き連れ「昭和のバラエティを復活させたい」という語る彼の意志に火をつけられ、二人が飛び立つことになるのだ。

 そんな日本のバラエティの矜持をAmazon Prime Videoを通して全世界に示す「今田・東野世界へ飛ぶ」だが、まず注目すべきはオープニング。突然、爆破事件の中継現場のような空撮ではじまり、炎上する現場で「東野さん!? 東野さんは!?」と絶叫するスタッフとゲストの声が響き渡る。バラエティ感ゼロのシリアスすぎる画は「アマゾンとはいえ、所詮バラエティだろ」と、上手に収束する番組構成になると高をくくっていた視聴者も度肝を抜かれるはずだ。

 そんなヤンチャなWコウジを支えるファミリーも、配信番組だからこそ羽を伸ばせるタレントが揃う。その中でも準レギュラー的なポジションであるケンドーコバヤシは今田と東野の悪ノリをそそのかし、諌める一方で、上手に脱線しがちな番組をまとめ上げる。セックスレス大国である日本の風潮を改善させるために、セックス好きの女性タレントをゲストに呼ぶ『教えてシリガール』では、トーク中に話題が普通の恋愛相談に移ると「日本から少子化をなくす番組なんですから!」と怒り、下ネタに軌道修正していた。

 バクシーシ山下が自作のアダルト作品の出演女優に会って謝罪する『再会 ~地上波では会えないあの人に会いたい~』では、予想外すぎるラストに固まる今田・東野に代わり、山下に対して「最後にコメントをどうぞ」と促す名進行を見せる場面も。二人が「素の視聴者」としてはしゃぎ、ゲストにたしなめられるほど、奔放に反応できるのは、脇を固めるケンドーコバヤシの進行力が一役買っているのは間違いない。

 他にも『カリギュラ』ファミリーは他の配信番組もなかなか手が出せない人材が次々に登場。シーズン1の『訳あって地上波ではなかなか会えない、あの人は今!?』でゲスト出演した元EE JUMPの後藤祐樹も、『カリギュラ』ファミリーとして活躍しつつある。そしてシーズン2では、後藤がロケに飛び出す。生半可なタトゥー娘に「刺青を入れるとどのような人生が待っているのか」を説く『デスペラード~ならず者よ、正気に戻ったらどうだい?~』では、お嬢様な見た目とのギャップに刺青を入れたいと語る司会業の女性に「考えが甘い。僕が刺青をいれて来た12年間の中でカッコ良く思われたことは一回もない」とまっすぐに語る。今後、後藤がもし地上波に出演できたとしても、キワモノ扱いを受けるかもしれない。しかし『カリギュラ』では「刺青だらけの元業界人」として、今の彼ならではのキャラクターで重宝されているのも特筆したい。

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