7年越しのシリーズ最新作『絶体絶命都市4 Plus』 震災の恐怖を訴える、表現力の進化とは
11月22日、グランゼーラからPS4用ソフト『絶体絶命都市4Plus-Summer Memories-』(以下『絶体絶命都市4 Plus』)が発売された。
本シリーズは現実でもいつ起こるか分からない震災をテーマに扱うサバイバル・アクションアドベンチャーだ。『絶体絶命都市4 Plus』は2002年発売のPS2(プレイステーション2)用ソフト『絶対絶命都市』シリーズのナンバリングタイトル4作目で、日本の都市部における震災被害をリアルに描き出している。いつまでも続くと思われた日常が、災害によって崩れ去る……。実際に起こってみなければ体感できない「震災の恐怖」を、ゲーム作品に落とし込みながら、ユーザーに災害に備えることの重要性を訴えかけている点に注目してもらいたい。
「ビル倒壊」から見る進化した災害表現
落ちれば命に関わるほど深く裂けた地面の穴、揺れの影響で停電し明かりを失ったショッピングモール、そして地鳴りを響かせながら倒壊するオフィスビル。これらは『絶体絶命都市4 Plus』の冒頭で主人公(プレイヤー)が経験する光景だ。前作『絶体絶命都市3-壊れゆく街と彼女の歌』がPSP(プレイステーション・ポータブル)専用ソフトだったこともあり、グラフィック周りの進化は目に見えて実感できるだろう。
そして当然だが、震災に巻き込まれるのは主人公だけではない。目の前で起きた現実に対応できず、白昼の街中で戸惑う人々(NPC)もリアルに表現されている。地震発生直後で恐怖に怯えうなだれる人もいれば、スマートフォンで些細な情報を頼りに現状の打開に試みる人、倒壊したビルの瓦礫に足を挟まれ苦痛に悶える人もいる。こうした模様は、ゲームの演出と分かっていても「もし現実で起こったら……」と思うほど大胆に描かれており、人によっては考えさせられるものがあるかもしれない。
本作はサバイバル・アクションアドベンチャーと表記されている通り、刻一刻と進行する進行危機的状況から身を守るアクション操作が求められる。例えば小規模~中規模の余震に見舞われたなら、転倒しないようにしゃがむ。または今にも倒れてきそうな建築物から離れるため、駆け足で移動する。このゲームには華麗なステップ移動や身の丈を軽々超えるジャンプは不可能だが、命を落とさず生き延びるためのアクションが無駄なく実装されているのだ。