FeliCa搭載のリファレンス機、Google「Pixel 3」が国内発売へ そのスペックを徹底解説
Googleは自社製のスマートフォンである「Pixel」シリーズの新モデル「Pixel 3 / 3 XL」を日本でも投入することを明らかにした。販路はSIMロックフリーモデル、NTTドコモ、ソフトバンクが取り扱う。直販価格は95,000円~で11月1日より販売開始だ。
「Pixel 3 / 3 XL」はGoogle Android OSのリファレンス(開発の基準となるモデル)としての役割も担っているが、日本市場向け「Pixel 3 / 3 XL」はFeliCa(おサイフケータイ)を独自に搭載している。仕様は次の通りだ。
Pixel 3
OS:Android 9 Pie
ディスプレイ:5.5インチ(2,160×1,080ドット)
SoC:Qualcomm Snapdragon 845
RAM:4GB
内蔵ストレージ:64 / 128GB
背面カメラ:1220万画素(F値 1.8)
インカメラ:800万画素×2 デュアル 広角と標準
バッテリー:2915mAh(Qi充電対応)
Wi-Fi:IEEE 802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth:5.0
インターフェース:USB Type-C 3.1 Gen1
その他:指紋センサー・IPX8防水
「Pixel 3 XL」は「Pixel 3 」よりも画面が大きい6.3インチ(2,960×1,440ドット)で、バッテリー容量が3430mAhである点以外(サイズ・質量除く)はカメラ、SoC、内蔵ストレージ、RAMともに共通スペックとなる。両モデルともにmicro SDやデュアルSIM、デュアルスタンバイ非対応、イヤホンジャック非搭載となっている。
ディスプレイはいずれも有機ELでHDRや100,000:1のハイコントラスト、強化ガラスのGorillaGlass 5に対応している。バッテリーの充電時間は約15分で最大7時間の利用が可能だ。また最大10Wのワイヤレス充電 Qiやスマートフォンの使いすぎを防ぐDigital Wellbeing機能などAndroid 9に搭載されている標準機能が利用できる。また、「Pixel 3 / 3 XL」では端末を握ることでGoogleアシスタントが起動する「Active Edge」に対応。
メインカメラは1220万画素 F値1.8のシングルカメラとなる。最近トレンドであるデュアルカメラを採用することはなかったが、デュアルカメラを中心に搭載していたポートレートモード撮影も「Pixel 3 / 3 XL」では利用することが可能だ。AIの機械学習によりシングルカメラでのポートレート撮影を実現したという。
そのほか、撮影する直前と直後を撮影し、シャッターチャンスを逃さない機能や光量が少ない場所でもフラッシュを焚かずに明るい写真が撮影できる機能も搭載。撮影した写真は自社製スマートフォンということもあり、GooglePhotosアプリに2022年1月31日まで非圧縮の元の画質で無制限にアップロード可能だ。気になるのは2022年1月31日以降にその撮影した非圧縮の写真がどうなるのかということだが、「保存」についてはアップロード期限が切れても続くようだ。
「Pixel 3 / 3 XL」はGoogleレンズにも対応する。Googleレンズはカメラで検出した住所、電話番号、メールアドレス、植物、建造物など様々な情報をコピーしたり検索することが可能になる。セキュリティ面では「Pixel 3 / 3 XL」ように開発されたセキュリティチップ「チタンM」を搭載。OSレベルで端末を安全に保護するという。
「Pixel 3 / 3 XL」はリファレンス機としての役割がある以上、他メーカーに多く搭載されている当たり前の機能(顔認証など)がそもそも搭載されていないが、一方で「Pixel 3 / 3 XL」の強みは常に最新のAndroid体験ができるという点にある。例えばAIが自動でお店の電話予約を代行するサービス「Duplex」や電話の着信時にAIが名前や要件を発信者に尋ねる「Call Screen」といった機能がすぐさまに享受できるのは大きな魅力といえよう。ただし、こういう機能は米国でまずローンチされることが多く、日本でのリリースが遅れることも。
国内大手キャリアにおいては、auのみが取り扱わない格好となった。日本では初の「Pixel」スマートフォンということでFeliCaもしっかりとサポートするなど、Googleの本気度が伝わる機種となった。なお、メジャーアップデートは3年間保証されている。
ソース:Google
■佐々木翼
モバイル製品などのガジェットに詳しいフリーライター。
モバイルメディアの「ガジェットギーク」も個人運営している。