『ロックマン11 運命の歯車!!』の前に振り返りたい、“もう1つの9作目”=『ロックマン&フォルテ』
移植版は復刻した。しかし、オリジナル版は……
総じて難易度こそシリーズ屈指ながら、新たな試みも成した意欲的な傑作に完成されている。しかし、本作は未だ復刻が果たされていない。厳密には、オリジナルのスーパーファミコン版だけが復刻していない。
2002年8月10日にゲームボーイアドバンスで発売された移植版は、Wii Uのバーチャルコンソールで復刻され、現在も購入可能だ。しかし、こちらは画面解像度が大きく変更されていて、その関係でオリジナルよりも一部、難易度が高くなっている。ストーリーが『ロックマン8』の続きであるため、同作が遊べる『ロックマン クラシックスコレクション2』への収録も期待されたが、残念ながら番外編ゆえにか、見送られている。
この背景には、スーパーファミコン版が日本でしか発売されていない事情が関係していると思われる。本作は後発のゲームボーイアドバンス版で、初めて海外進出を果たしたのだ。そのため、『ロックマンクラシックスコレクション2』に収録となれば、新規にローカライズ作業が発生する。
翻訳のデータ自体は後発の移植版のものがあるので、それを使い回せば復刻はできたかもしれない。しかし、ほぼ一から作業し直しになるのは素人目でも明らかだ。おまけに本作には歴代シリーズのキャラクター達のプロフィールを閲覧できる「データベース」の存在もあって、シリーズでも群を抜いてテキストの量が多い。その手間を考えると、収録見送りになるのも止むを得ない。
ただ、移植版が遊べるWiiUも既に現役を退き、本体の生産も終了している関係上、プレイするハードルは日増しに高くなっている。今後も、その傾向は続くだろう。
シリーズ10作とは対照的に、今なおオリジナル版の復刻が果たされずにいる本作。『ロックマン11 運命の歯車!!』の発売以後、シリーズに活気が取り戻されたのなら、何卒、オリジナル版復刻のため、カプコンは取り組んでほしいと願うばかりだ。最も優先されるのは新作だが、このような幻になりかけている作品の救済も忘れないでいただきたい。本作はもう一つの『ロックマン9』とまで言われた作品なのだから。
■シェループ
新旧構わず、色んなゲームに手を伸ばしては積みゲーを増やし続ける人。コソコソとゲームライターとしても活動し始めた。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションが大好物。最近、『スプラトゥーン』のジャッジくんが気になって仕方がない。
Twitterアカウント(@shelloop)
■ロックマン11 運命の歯車!!
発売日: 2018年10月4日(木)予定
対応ハード: PlayStation®4 / Nintendo Switch™ / Xbox One / PC(STEAM)
ジャンル: アクション