欅坂46、ホログラムライブが示す可能性 最新映像テクノロジーは音楽ライブをどう変える?
欅坂46が7月14日より、福岡県北九州市「あるあるCity」ホログラムシアターにて『欅坂46ホログラムライヴ』を上映する。ホログラムシアター専用に撮影されたリアルな立体映像と、3面の巨大スクリーンに投影されるプロジェクションマッピングを連動させ、代表曲である「サイレントマジョリティー」と「二人セゾン」の2曲を5.1chサラウンドで上映するとのことで、実際にライブ会場にいるかのような臨場感が体感できるそうだ。
欅坂46は、昨年にもavex360°3Dシアターにて、3Dメガネを着用する立体的な映像パフォーマンスを行なったが、今回はホログラムのため裸眼で楽しめるのが特徴だ。今やライブチケットが入手困難であり、メンバー21人がなかなか揃わない欅坂46だけに、いつでもフルメンバーで見られるのはファンにとって嬉しい企画といえるだろう。VRやホログラムといった最新の映像技術は、音楽ライブとの相性がよく、特に視覚的なパフォーマンスが重要なアイドルにとっては、今後ますます重要なテクノロジーとなっていきそうだ。
映像が空間に浮かび上がって見えるホログラム的な技術は、元を辿れば19世紀からある。「ペッパーズ・ゴースト」と呼ばれるその視覚トリックは、「板ガラスと特殊な照明技術により、実像と板ガラスに写った「幽霊」を重ねて見せること」(Wikipediaより)で、東京ディズニーランドのホーンテッドマンションなどで現在も使われている。この技術を発展させて、半透明のスクリーンを斜めに置いて床に投影している映像を反射させたのが、現在のホログラムの仕組みだ。
実際にライブで使われたことで有名なのは、2012年の「コーチェラ・ミュージック・フェスティバル」だろう。ドクター・ドレーとスヌープ・ドッグのパフォーマンスに、1996年に亡くなった2PACが登場したのは、世界を驚愕させた。また、「ビルボード・ミュージック・アワード2014」で、2009年に亡くなったはずのマイケル・ジャクソンが新曲「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」をパフォーマンスしたのも、多くの音楽ファンを喜ばせた。日本でも2015年にDMM VR THEATERの企画第一弾として、X JAPANのギタリスト・hideのホログラフィックライブ「hide crystal project presents RADIOSITY」が大きな話題となった。また、初音ミクなどの2次元キャラのライブでも、最新の映像技術が大いに活用されている。
ホログラムとアイドルの融合で話題となったのは、2012年の「氷結 SUMMER NIGHT」でのPerfumeのライブだ。Perfumeと言えば最新テクノロジーを駆使したライブでお馴染みだが、「氷結 SUMMER NIGHT」では実物の3人と同じ3D映像の3人がコラボしての6人のPerfumeがダンスを繰り広げるという、斬新なパフォーマンスを披露した。