バーチャルYouTuberが流行した“激動の一カ月”に、いったい何が起きたのか?

 そして、中旬で勢いが増したもうひとつ理由として、キズナアイのチャンネル登録者数が100万人を突破したのも挙げられる。12月1日に活動1周年を迎え、このときからすでに話題となっていたのも大きかった。100万人を目前に控えた、12月17日の前日から登録者が1万人と倍に増え、翌日にはミリオンを達成していた。これがVTuberを周知させるためには非常に効果的だった。VTuberの存在が認識され始めるやいなや、「ほかに誰か面白い子はいないか」と探してきた有志が、Twitter上で発信する姿もうかがえた。

 知名度が上がってくると、いよいよ数字も付随して倍々に増えていった。とはいえ、この流行の荒波に飲まれないよう、VTuberもそれに適応するかのように活動していた。たとえば、ミライアカリのクリスマス生放送や、ロリ狐娘Youtuberおじさんとシロによるコラボなど多岐にわたる。人気が出たから満足ではなく、次を考えながら動いていたからこそ、今のような盛り上がりを見せるようになったのだろう。

 また、下旬にはエンタメ界隈でインフルエンサー的役割をはたしている、マフィア梶田氏がVTuberを自らのコラムに取り上げた。これにより、年末の数日は登録者数が落ちているものの、それまでのあいだはコンスタンスに1万人以上のファンを毎日生み出していた。そして最終的な12月の登録者数は、どのチャンネルも10万〜20万単位で増えていた。

 なにがきっかけでVTuberがここまでの成長を見せたのか、考えかたは人それぞれで違うだろうが、筆者にはこのような景色が映っていた。広めようと動いてくれたファン、面白おかしくコンテンツを届けようとしてくれたVTuber、どれかひとつが欠けていたら、もしかしたらと思うほどに、さまざまな事象がかみ合って今の盛り上がりとなった。今では毎月1000人近くVTuberが増えているが、今後、界隈全体がどのような動きを見せるのかぜひ追ってみてほしい。最後にチャンネルの増加を視覚で楽しめる動画を紹介して締めとしたい。

バーチャルYouTuberたちのチャンネル登録者数の変化をアイコンで表現する動画

■聖☆あべさん
ゲーム・アニメなどエンタメに強いフリーライター。人生の大半を遊びに費やしてきたと自
負している。これまでお世話になってきたコンテンツたちに恩返しするべく、ライターとし
て活動することを決意し、現在進行形で鋭意執筆中。
Twitter:@yokato_1110

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