VR爆発的普及のカギとなるか? クアルコム、VR / AR専用のチップセット「XR1」を発表

 半導体メーカーのQualcomm(クアルコム)が、AR / VR専用のチップセット「Snapdragpn XR1 Platform(以下:XR1)」を発表した。

 XRは「eXtended Reality(拡張現実)」の略称で、世界初のAR / VR専用のチップセットだ。Qualcommが培ってきた双方向性、消費電力、熱効率、またAI(人工知能)が生かされ、高品質のAR / VR体験を提供するものとしている。

 Googleの「DayDream」やSamsungの「GearVR」など、モバイル向けのVRプラットフォームが世に広まってからというものの、VRの可能性は一気に広がった。特に初期投資の費用が抑えられるようになったことが、普及のカギと言えるだろう。

Meet the Snapdragon XR1, the world's first dedicated XR platform

 そんななかで、Qualcommがより安価で高品質なAR / VRデバイス、ソフトウェアを開発できるよう本腰を入れて開発したのが、このXR1だ。従来展開されていた、Qualcomm Snapdragon 821 / 835といったハイエンド向けのチップセットは今やスマートフォンに搭載されており、Oculus GoやMirage SoloなどのVRヘッドセットにも採用されてきている。これらの流れからして、AR / VR専用の高品質なチップセットが登場するのは時間の問題でもあっただろう。

 XR1は毎秒30フレームの4K動画撮影をサポートしている。Spectra ISPはXR1用に専用のハードウェアとソフトウェアアルゴリズムを設け、不要なノイズを排除することで大幅な画質改善に貢献している。また、OpenGL / CL / Vulanなどの主要グラフィックスAPIもサポート。オーディオ周りでは3D Audio Suite 、Qualcomm Aqstic Audio、aptXに対応し、センサー類では頭の回転、前後左右上下を含む6DoFのトラッキングを可能にした。

 VR / AR市場は拡大の一途を辿っている。今回の「XR1」のように、より安価で高品質なVR / AR機器が世の中に出回ることは確実で、今以上に気軽に利用できるようになる日は遠くはないだろう。エンターテイメント分野に限らず、VR / ARは不動産やファッション、医療現場、カーディーラーなど、より多くの職種、場面で活用されるポテンシャルがあり、社会全体への加速度的な普及に期待が高まる。

参考情報:Qualcomm プレスリリース / 製品情報ページ

■佐々木翼
モバイル製品などのガジェットに詳しいフリーライター。モバイルメディアの「ガジェットギーク」も個人運営している。

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