SF映画としての『ドラえもん』ーー最新作のフィロソフィーを読み解く

 来年で連載開始から50年を迎える『ドラえもん』。これまで登場してきた夢にあふれたひみつ道具の数々が、ドラえもんの生まれた22世紀へと近付いて行く中で着実に具現化されはじめていることがよく話題にあがっている。ロボットの実用化はもちろん、「おこのみボックス」や「糸なし糸電話」を思い起こさせる携帯電話。

 そして『ドラビアンナイト』にも登場した「宇宙完全大百科」が現代でいうインターネットの役割を果たしているなど、徐々に“夢”だった世界に現実が近づきはじめている。それを考えると、先ほど分類した『映画ドラえもん』の他の3要素が現実化していけばいくほど、藤子・F・不二雄の思い描いた「すこし不思議」はより強度を増していくのではないだろうか。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■公開情報
『映画ドラえもん のび太の宝島』
2018年3月3日(土)公開
原作:藤子・F・不二雄
監督:今井一暁
脚本:川村元気
主題歌・挿入歌:星野源
キャスト:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、大泉洋
(c)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018
公式サイト:http://doraeiga.com/2018/

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