DÉ DÉ MOUSE×KAGURAのパフォーマンスも 『INNOVATION WORLD COMPLEX』レポート

 そしてこの日はAR楽器・KAGURAを使ったパフォーマンスも行われた。KAGURAは“ジェスチャーで演奏できる新世代楽器”。PC画面上に表示されるアイコンの方向に向かって手を伸ばせば、シームレスにギターやベース、キーボードなどの音色を奏でることができる。DÉ DÉ MOUSEがDJとして登場すると、KAGURAを使ったパフォーマンスを披露。手の動きは非常に自然で、どこで使われているのか注視してもわからないほどだった。

 続いて開発者の中村俊介氏も登壇し、デモンストレーションへ。一人でバンドサウンドを奏でる様子に会場からは驚きの声が上がった。「なんで作ったかっていうと、僕、楽器弾けないんです。練習嫌なんです。だから練習しなくても弾ける楽器がほしいなと思って……」とKAGURAの制作に至った経緯を説明していた中村氏。楽器を弾けない開発者ならではのアイデアが詰まった新世代楽器と言えるだろう。中村氏はKAGURAを用いてDÉ DÉ MOUSEとともにパフォーマンスを行っていたが、その姿は楽器が弾けなくてもアイデア次第でアーティストと共演できる、という新たな可能性を示してくれたようだった。

 まだまだ話し足りない、もっとパフォーマンスしたいーー登壇者一人ひとりからテクノロジーの未来への思いが伝わってくるイベントは、熱気に包まれて幕を閉じた。

(文=村上夏菜)

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