DÉ DÉ MOUSE×KAGURAのパフォーマンスも 『INNOVATION WORLD COMPLEX』レポート

KAGURAパフォーマンスも登場、『イノコン』レポ

 2月28日、AI=人工知能をフィーチャーしたカンファレンスイベント『INNOVATION WORLD COMPLEX VOL.1』が開催された。イノベーターを支援するJ-WAVEのラジオプロジェクト『INNOVATION WORLD』発のイベントであり、番組アシスタント・AI Tommyがナビゲート。熱いトークセッションのほか、イベント終盤にはAR楽器・KAGURAを使ったパフォーマンスも見られた。本稿ではその一部模様をレポートする。

(左から)竹内薫氏、山本一成氏

 “AIが人間の仕事を奪う”と耳にすることも多いが、「AI時代の教養とは何か」というテーマで語られたのは、そんな言葉に真っ向から反対するものだった。将棋ソフト「Ponanza」の開発者・山本一成氏は「単純な仕事がAIに奪われるとは限らない」と発言。実際、非常に高度な頭脳が要求される棋士の能力についてはPonanzaのようなAIが上回ろうとしている一方で、洗濯物を畳む、皿洗いをするなど一見単純に見える仕事をAIが代わろうとすると、コストパフォーマンスが非常に悪いのだという。さらに山本氏は「そもそも、人間って働かなきゃいけないんですかね?」と疑問を抱く場面も。AIと共存するにはどうするべきなのか、改めて考えさせられるセッションだった。

(左から)斎藤由多加氏、池上高志氏

 「AIの生命と意識へのアプローチ」には、音声認識技術を使ったエンターテインメントの走りとも言えるゲームソフト『シーマン』の開発者・斎藤由多加氏が登壇。スマートスピーカーが普及し始めた今、『シーマン』から学べることも多い。約20年前に登場したゲームであるため、音声認識技術自体は現在の方が格段に進化している。しかし『シーマン』はプレイヤーが何を言っているか聞き取れなかった際、「すみません、聞き取れません」と言わずに「滑舌が悪い」と怒った、というエピソードが興味深い。これによってプレイヤーが『シーマン』に合わせてゆっくり話したり、一音一音しっかりと発音したりするようになったというのだ。当然のことだが、突然音声認識技術が進化し、声を聞き取れるようになるわけではない。『シーマン』に、テクノロジーとの上手な付き合い方の答えの一つを見た気がした。

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