三四郎のANNに楽曲投稿で話題 ドイツ出身ラッパー・Blumio(ブルーミオ)の経歴に迫る
ーー日本のHIPHOPについては、どんなイメージをもっていますか?
Blumio:そもそも日本の音楽では「韻を踏む」という概念があまりないように感じます。ドイツでは子どもの歌でも韻を踏むんですよ。じゃあ「日本語ラップ」ってどういうものなんだろうな、と考えていていたんですが、13歳のときに日本に旅行に来たときにRHYMESTERさんの音楽に出会って、めちゃくちゃカッコいいと思って。そこから僕も日本語の歌詞を書くようになったんです。日本で活動したい、という思いはずっと持っていて、一念発起したという感じです。
ーー2016年から日本を活動の拠点にされていますが、Blumioさんがラップをするとき、ドイツ語と日本語でどんな違いがありますか。
Blumio:言葉って独特なエモーションがありますよね。いわゆる母国語はドイツ語ですし、ドイツで育って現地の学校に行っていたのでボキャブラリーもある。ただ、日本語のほうがフランクにラップができる気がしていて。お母さんとしゃべるときは日本語ですし、ドイツ語よりかえって素直な言葉が出てくるという感じですね。
ーー日本とドイツは国民性が近い、と言われることも少なくありません。Blumioさんから見てどうですか?
Blumio:近くて遠い、と思います。数年前から盛り上がっているハロウィンもそうですが、日本の方が新しいカルチャーに対してオープンな感じがしますね。ドイツは新しいものに対して「ひとまず遠くから見てみよう」という姿勢なので、ファッションの流行なども遅れて入ってくるんです。今後日本で新しいチャレンジをすることにワクワクしています。
ーー今後の活動についても聞かせてください。
Blumio:今は4分の音楽のなかにストーリーを詰め込んでいるんですけど、いつか役者がラップを使ってストーリーが展開されるような、ミュージカルや映画を作りたいなと考えています。そのためにもまず、僕のことを日本のみなさんに知ってもらわないといけないな、と。今後ミニアルバムをリリースする予定があるので、ひとまずはそこで自己紹介ができたらと思います。
もうひとつ、日本とドイツの架け橋になれたらとも考えていて、今はYouTubeでドイツに向けて、日本で行われているドイツのイベントを紹介する動画の配信もしています。クリスマスマーケットに行ったり、ドイツ料理屋に行って日本人が作るドイツ料理を紹介したり……そういう形で、日本の人にもドイツの良いところを紹介していきたいですね。
(取材=編集部/撮影=三橋優美子)
■Blumio(ブルーミオ)
ドイツで最も日本人が多く住むデュッセルドルフで1985年、日本人の両親の間に生まれる。13歳から親に隠れてラップを始め、当時から自作のラップを数々披露している。幼少期から日本人として多くの偏見や差別を経験しており、日本人を指す差別語「ヤプセ」をあえて自称し、差別語の背景にある偏見をはね返したいと考え活動してきた。数々のラップバトルに挑み、それに目を付けたプロデューサーのDone Toneがデュッセルドルフのレーベルにスカウト。ドイツでリリースを重ねた後、2016年から日本に拠点を移して活動している。
YouTubeチャンネル/Twitter/Instagram/公式ホームページ