三四郎のANNに楽曲投稿で話題 ドイツ出身ラッパー・Blumio(ブルーミオ)の経歴に迫る

三四郎のANNに楽曲投稿で話題 ドイツ出身ラッパー・Blumio(ブルーミオ)の経歴に迫る

 三四郎がパーソナリティを務めるラジオ番組『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)に突然届いた、“三四郎のために作った”というオリジナル楽曲「バチボコの歌」が話題になった。その制作者が、YouTubeを中心に活動するラッパー・Blumio(ブルーミオ)だ。モヒカンにメガネという、一度見たら忘れられない特徴的な外見の彼の出身地はドイツ。日本人の両親の元に生まれた彼は偏見や差別をはね返し、日本人を指す差別用語「ヤプセ(Japse)」をあえて自称して音楽活動を開始した。ドイツではすでにメジャーでのリリースも重ね、HIPHOPファンに認知された存在だ。順調なキャリアを築いているように見えた彼はなぜ、いま日本を拠点に活動しているのか。日独のHIPHOPシーンを比較しつつ、じっくりと語ってもらった。(編集部)

『バチボコの歌』 Blumio / ブルーミオ 【三四郎のオールナイトニッポン0】

 

ーーまず、ラップを始めたきっかけを教えてください。

Blumio:1997~98年くらいにドイツ語ラップブームが起きて、僕の周りでも若者がラップを聴き始めたのがきっかけです。親に隠れてこっそり、宿題をやっていると見せかけて歌詞を書いたりしていました。そのときに、人気ラッパーの歌詞の書き方や声の使い方をモノマネしていたんですよね。最初にメディアに取り上げられたのも、その経験を生かしてモノマネというスタイルで作った「お気に入りのラッパー」(「Meine Lieblingsrapper」)でした。それが話題になって、『MTV Germany』に呼ばれて知名度が上がり始めたんです。

Blumio – Meine Lieblingsrapper (official video) Produziert von Don Tone

ーーそれがオリジナルソングも聴いてもらうきっかけとなり、“ネオナチ”との対話を試みた「Hey Mr. Nazi」がネット上で議論を呼びました。シリアスな内容ですが、この曲はどんな経緯で制作したのでしょうか?

Blumio – Hey Mr. Nazi (official video) Produziert von Don Tone

Blumio:実はドイツ人はどの国よりもネオナチを嫌っています。今の若者は実際にはヒトラーの時代を知らないですが、それでもネオナチに呆れている人が多いんですよ。それも影響してか、ドイツではいわゆる「オリコン1位」のように売れるほど、有名な“反ネオナチ”の歌がたくさんあるんです。ただ、それは“反ネオナチ”の人たちにとっては盛り上がれる曲ではあるものの、ネオナチの人たちが聴いたらどう思うんだろう、と考えていたんですよね。少なくとも、僕が日本人としてカメラの前に立ってdisソングを作って発表したら、余計に反感を買ってしまうので、そういう曲を作るのはやめようと思いました。

 曲を書いた当時はネオナチが黒人の方を殺害してしまうような事件もあったので、単に悪感情をぶつけて溜飲を下げるのではなく、「相手の家族が悲しんでいるよ」という話をしたかったんです。誰だって大事な人が亡くなったら悲しいし、恋した時はキュンキュンするし、ご飯を食べて美味しいとかまずいと思う時もあるし、良いことがあると不安なんか吹っ飛んじゃう時もある。分かり合える部分がかならずあるはずだと考えて、「Hey Mr. Nazi」は「君も人間じゃないか、みんな仲良くしようよ!」という対話を試みた作品なんです。それがいわゆる“反ネオナチ”の曲しか聴いていなかったドイツ人にとっては、とても斬新だったんだと思います。

ーードイツのHIPHOPシーンでは移民の2世、3世の方が活躍されていますね。

Blumio:確かにドイツはラッパーの70%くらいが移民の方です。そのなかでもアジア人はかなり少なくて、僕がドイツでデビューした当時はアジア人が1人もいなかったので、ちゃんと認知してもらえるか不安でした。僕は幼稚園から中学生まで「おーい、細目!」とか日本人を蔑む英語で言うとジャップのような意味の「ヤプセ」と毎日のように言われていて、最初は面白おかしく言い返したりしてたんですけど、それでも言われ続けた。それならいっそ、「ヤプセ」を良い言葉にしてやろうと思ったんですよね。それで覚えてもらうためにモヒカンにして「ヤプセ」を掲げて活動し始めたら、「ブルーミオって誰? アジア人のあいつね」とドイツの方たちに覚えてもらえました。

ーー「Hey Mr. Nazi」を発表した時、ドイツではどのような反響がありましたか

Blumio:過激な左翼からは「お前、対話とか何言ってんだ!」「ナチどもはぶん殴るしか方法がないんだ!」みたいな反応が多かったですね。でもネオナチからはあまり厳しい反応はなくて、Facebookでネオナチだった人から「君の歌を聴いて、考え方をあらためた」と連絡がきた時は、最高にうれしかったです。ドイツは移民が多くて、それこそ戦争しあっていた国同士の人が一緒になることもある。その影響もあって社会的なことや政治的なメッセージに興味がある人も多くて、反響が大きかったのかなと思います。

ーー一方で、最近制作されている楽曲は、日本人のツボをついた笑いのエッセンスのある作品が多いのが印象的です。

Blumio:「Hey Mr. Nazi」が話題になったことで、ドイツだと政治的な質問ばかりくるんですよ。個人的にはもともと、もう少し楽しい音楽をやりたいなという思いがあったのと、日本に来て間もないので、日本の政治に対してものを言うんだったら、きちんと勉強してからじゃないとダメだよな、と思っていて。

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