Ken Ishiiの記事一覧

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それは、誰も出会ったことのないあまりにも奇妙で神秘的な響きだった。「東洋のテクノ・ゴッド」との異名をもつケン・イシイの伝説は93年にベルギーのR & Sレーベルから発表した『Garden On The Palm』(手のひらの庭)より始まる。コズミックなオリエンタル・ピュア・テクノを東京から世界に向け轟かせ、同年の「Pneuma」(霊魂)はイギリスの音楽誌『N.M.E.』のテクノ・チャートにおいてNo.1を獲得する。初のオリジナル・フル・アルバム『JERRY TONES』('95)は、ブレイク・ビーツを前面に押し出したダンサブルなトラックでフロアに対する積極的なアプローチを展開。そして『METAL BLUE AMERICA』('98)では、自らがギター&ヴォーカルに挑み、突如として80'sボディ/インダストリアルへ回帰したかのような、アグレッシヴかつグラマラスなアクロバット・サウンドを放ち、今までのピュア・テクノ路線を期待していたリスナーに大きな衝撃を与えた。さらに、『Sleeping Madness』('99)でのTalvin Singh、DJ Spooky、Co-Fusionらとのコラボレーションは彼の独自性と音楽性の拡大をさらに推し進めると共に成熟したアーティストとして存在感を大きくアピールした。——ジャーマン・ニューウェイヴ/デトロイト・テクノ/ドラムンベースからジャズ/ロック/ヒップホップ/民族音楽を急速に吸収しながら、変幻自在に姿を変貌させるケン・イシイの未知なるエレクトロニック・ミュージック探求の伝説は続く。

鼎談:『パックマン』とクラブミュージック

Ken Ishii×中塚武×宇出津和仁と『パックマン』を起点に考える「ゲーム音楽とクラブミュージックの好相性」

1980年に日本で誕生し、アメリカでも大ブレイクしたことで「80年代のミッキーマウス」とも呼ばれた大ヒットゲーム『パックマン』が…