『サイバーパンク:エッジランナーズ2』は前作とどう違う? 若手制作陣による新たな群像劇

そんな大ヒット作となった前作から、約4年の時を経て配信されたのが、『サイバーパンク エッジランナーズ2』だ。世界観はこれまでと同じナイトシティだが、物語の主人公は4人の新キャラクターたちへと変更されている。
まず1人目の主人公は、かつて“キング”と呼ばれた伝説のエッジランナー、ウィーク・キングズリーだ。彼はアラサカ社の生体チップを奪う仕事の最中、過剰な身体改造による精神の暴走「サイバーサイコシス」を発症。たった一晩で栄光の座を追われ、すべてを失ってしまう。
もうひとつの視点を担うのが、あえてビデオカメラでの撮影にこだわる映画好きの少年・ロマン。仕事のためにギャング「メイルストローム」の拠点へ潜り込んだロマンは、人間離れした身のこなしを見せる少女・タリアに目を奪われ、思わずカメラを回す。
そのタリアもまた、主人公の1人だ。大企業幹部の娘でありながらギャングの流儀に心酔しており、身体改造していない人間を見下すような思想を持っている。
最後の主人公が、スネーク族出身の青年・Dだ。並外れたハッキングの才能を持つネットランナーだが、自分の留守中にクランを壊滅させられて以来、その相手への復讐を決意。ナイトシティで犯人の手掛かりを追い続けている。
序盤は4人の物語がそれぞれ並行して描かれているのだが、偶然や必然の結びつきによって、徐々にその歩みが交わっていくことに。そうした群像劇ならではのダイナミズムこそが、本作の醍醐味となっている。また、デイビッド1人の視点からナイトシティが描かれていた前作に対して、さまざまな視点からナイトシティの実態が捉えられることも魅力の1つだ。
前作に引き続き、アクションシーンの作画も大きな見どころ。第1話冒頭、サイバーサイコシスを発症したウィークが暴走する場面からしてインパクト絶大だ。カーアクションに銃撃戦、人体が砕けて血しぶきが舞う肉弾戦と、テンポよくケレン味あふれる描写が盛り込まれている。
とはいえ前作と比べて、作画や画面の印象が変わっている部分も大きい。というのも今作ではメインスタッフがガラリと変わっているからだ。監督は本作が初監督作となる1991年生まれの五十嵐海、キャラクターデザイン・総作画監督は菅野一期が担当。ベテランタッグによる前作から打って変わって、若手中心のフレッシュな顔ぶれとなっている。
五十嵐と菅野は伝説的アニメーター・金田伊功の影響を受けた“金田系”の作画スタイルで知られているが、今作の作画にはその片鱗が感じられる。またそれ以外にもレトロな質感をあえて残すような作風があり、ビデオカメラのローファイ映像や1990年代のヒロインを思わせるタリアの造形などにそれが顕著に表れている。
さらにビジュアル面でいえば、色とりどりな夜のネオンサインが印象的だった前作に対して、今作では日中のナイトシティが中心となっていることも大きな違いだろう。
なお本シリーズにメインスタッフとして携わるバルトシュ・シュティボルは、今作が1作目の“鏡像”となっていることを語っていた。たとえばウィークの身に巻き起こる出来事は、デイビッドのそれとは正反対の展開だという。前作を楽しんだ人ほど、2作目の内容を味わい深く感じられるかもしれない。(※2)
従来のファンはもちろんのこと、初見でも楽しめる作りとなっている『サイバーパンク:エッジランナーズ2』。原作ゲームでは今作から着想を得たコンテンツを含む無料アップデートも実施されているので、興味があればあわせてチェックしてみてほしい。
参照
※1. https://x.com/CDPRJP/status/1572605751188914176
※2. https://gizmodo.com/cyberpunk-edgerunners-2-anime-netflix-studio-trigger-cd-projekt-red-interview-2000828837
■配信情報
『サイバーパンク:エッジランナーズ2』
Netflixにて配信中
https://www.netflix.com/title/81744227




















