松井玲奈、“表現者”として広がる新たな可能性 「その鍵をどう開けるかは自分次第」

モチベーションの源泉と表現者としてのこれから

ーー今回、長崎県波佐見町で長期間ロケをされましたが、セット撮影ではなく、実際に波佐見町に滞在してロケをした空気感は作品に反映されていますか?
松井:もともと使われていた窯元さんをお借りして、私たちが働く光容窯(こうようがま)を作っていただいたんです。そこで人が働いていた空気感や、積み重なった歴史の色みたいなものが随所に残っていて。カメラを通してもその雰囲気は伝わりますし、セットだけでは絶対に表現しきれなかった波佐見町の空気が映り込んでいると思います。
ーーその空気感の中で描かれる、原作が持つ物語としての魅力は改めてどこにあると感じましたか?
松井:器を介して人間関係や恋愛模様が進んでいくのが面白いなと思いました。人に好意を寄せたり、相手を認めたりするときって、リスペクトがないとそういう気持ちには至らないですよね。青子と龍生の二人の間にはいつも器があって、お互いの創作に対する方向性が全く同じではなくても、たどり着きたいところは同じ。そこが惹かれ合うポイントで、近づき方がとても面白い作品です。

ーー龍生役を演じた一ノ瀬颯さんは原作のイメージどおりでした?
松井:一ノ瀬くんが役のスタイリングで現れたときは、本当に原作の龍生くんみたいだと思いました。撮影の序盤は私も緊張していてゆっくりコミュニケーションを取る時間がなかったので、固い感じの人だと思っていたんです。でも一緒に過ごす期間が長くなると、普段の一ノ瀬くんはもっと柔らかくて、柔軟性と優しさに溢れている人なんだなと。役とのギャップもあって面白かったです。
ーーそうしたギャップも経て作り上げられた本作の恋愛要素について、視聴者にはどのようなところに注目してほしいですか?
松井:一筋縄ではいかない二人の距離の縮まり方が面白さの一つだと思います。だいたい仲が深まるときはぶつかり合っていて、その先にどんな関係が待っているのかを楽しみにしていただけたらと思います。物語全体は青子目線で厚めに描かれていますが、龍生くんの目線で見てみると「どこで惹かれたんだろう」とか、表情の一つ一つの意味合いが違って見える瞬間があるはずなので、そういうところにも注目していただきたいです。
ーー青子は絵付け職人ですが、松井さんは小説家など、表現者として様々なことに挑戦されています。そのモチベーションの源泉はどこにあるのでしょうか?
松井:周りの人から「やってみたらいいんじゃない?」と勧めてもらったことには、できる限り乗っかるようにしています。「こういう小説を書ける場所があるけど、どうかな?」と言われたら「頑張って書きます」と。周りが私を見たときに、「できるかもしれない」と可能性を感じて提示してくれているんだと思うので、まずはその鍵をどう開けるかは自分次第だなと。だから、いろんなことに挑戦していきたいと思っています。
ーー小説などのアイデアの種は、普段どこで見つけているのですか?
松井:人と話したり、SNSを見たり、日々目にする情報から気になることを拾っています。メモしたりすることはあまりないのですが、「あのときこの人、こんなこと言ってたな」というところや、気になったニュースから膨らませていくことが多いです。

ーー俳優業の経験が執筆活動につながることもありますか?
松井:エッセイは自分自身のことを書いているので繋がりますし、小説も、お芝居をして感じた感覚を登場人物に反映させたり、文字に起こしてみたりすることはあります。ただ、書くものとお芝居するものでは、使っている筋肉と開ける引き出しが違うなとは感じています。
ーー松井さんが今後、新たに挑戦してみたいことはありますか?
松井:今、絵を描くのもすごく楽しいなと思っているので、細々と水彩画の勉強をしたいなと思っています。
■放送情報
夜ドラ『青の花 器の森』
NHK総合にて、毎週月曜から木曜22:45~23:00放送(全32話)
※NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信予定
出演:松井玲奈、一ノ瀬颯、藤間爽子、安藤玉恵、前田拳太郎、岩永洋昭、山口森広、三浦貴大、莉子、のせりん、利重剛、上川周作、財前直見、西田尚美 ほか
原作:小玉ユキ
脚本:泉澤陽子
演出:深川栄洋
音楽:福廣秀一朗
主題歌:秦基博「フラグメンツ」
制作統括:井上衛(レプロエンタテインメント)、遠藤理史(NHK)
プロデューサー:森永恭平(レプロエンタテインメント)、本田七海(レプロエンタテインメント)
写真提供=NHK
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<応募締切>
11月12日(木)





















