『キングダム』“桓騎”坂口憲二はなぜ最強? “覇気”にも通じる圧倒的オーラ
新たに封切られたシリーズ最新作『キングダム 魂の決戦』もまた、いや、これまで以上に、数日のうちに日本のエンターテインメントシーンを席巻している。
いったい何が観客たちを駆り立て、この夏を飲み込んでいくような盛り上がりを呈しているのか。理由はいくつもあるのだが、ここではやはり特定の俳優の存在にフォーカスし、言葉を紡いでみたい。今作で初登場を果たした桓騎を演じる、坂口憲二という俳優について――。
本作は、大人気青年マンガを原作に、秦国の戦災孤児だった主人公・信(山﨑賢人)が、“天下の大将軍”を目指して奮闘する姿を描いていくもの。シリーズ第5弾となる今作では、秦以外のすべての国が手を組んだ“合従軍”と秦国との決死の攻防が繰り広げられる。信たちの命運を左右する、まさに「魂の決戦」だ。
そんな本作で坂口が演じるのは、秦国の将軍のひとりである桓騎。信にはまだ追いつくことのできぬ存在だが、“元野盗”でありながら武将にまで上り詰めたところに、多くの観客が希望と親近感を抱くだろう。しかも、劇中の彼の立ち位置に言及するならば、獅子奮迅の勢いで戦果をあげているらしい。秦国内において、誰もが一目置く存在なのである。
“誰もが一目置く存在”と書いたばかりだが、私たち観客は彼がどれほどの猛将であるのか、実際のところ知らない。劇中で敵の武将を一刀両断してみせるわけでもないのだ。しかし誰もが、彼が獅子奮迅の勢いで戦果をあげていると聞いて、疑いはしないだろう。その闘う姿を見ていないのに、である。
桓騎がはじめて姿を見せて口を開いたのは、秦国存亡の危機に際して、国王・嬴政(吉沢亮)の前に将軍たちが一堂に会した場でのこと。麃公(豊川悦司)、騰(要潤)、蒙武(平山祐介)といった将軍たちが戦場を駆けるところならば、たしかに目にしたことがある。彼らの強さは疑いようがない。この目で見た。けれども桓騎に関しては、いくら最強と呼べるような設定が与えられているにせよ、この時点では彼が武器を手にした姿に触れていない。にも関わらず、私たちは誰もが彼のその強さを疑わないだろう。