配信時代だからこそ価値がある 「東映特撮Blu-ray化 PROJECT!」の背景と意義を紐解く

東映特撮Blu-ray化 PROJECT!の背景と意義

 サブスクリプションとVOD(ビデオ・オン・デマンド)の拡大によって、懐かしの映画やドラマ、テレビアニメなどがいつでも観られるようになったものの、配信がいつまでも観られるとは限らない。久しぶりに観直そうと思ったら、いつの間にか配信が終了していたという話はザラに聞く。結局はいつでも好きな時に観られる物理メディアが最強なのだ。それでも2026年2月に一般社団法人日本映像ソフト協会が発表した統計によると、DVDが前年比で18.9%減、Blu-rayが15.5%減とのこと(※)。海外でもパッケージの販売が縮小されつつあり、映画ディスクの愛好家・収集家にとっては少々厳しい。しかしそんな中でも、過去の名作を高画質Blu-rayで積極的に商品化して、ファンの心をガッチリと掴む国内メーカーがまだまだ何社もある。東映ビデオもそうしたソフトメーカーだ。

 東映ビデオは1990年代のレーザーディスク市場にいち早く参入し、ビデオカセット時代には不十分だった特撮、アニメのラインナップを充実させただけでなく、『仮面ライダー』全98話を収録した148,000円(税別)のLD-BOXや、『快傑ズバット』最終巻の初回プレスジャケット(正確にはジャケットを同サイズで複製した台紙)に、主演・宮内洋の直筆サインを漏れなく入れるという、特撮ファンの度肝を抜く企画でビデオソフト業界をリードしてきた。ここ数年でも『仮面ライダー』と劇場版『銀河鉄道999』、永井豪原作のスーパーロボットアニメ「劇場版マジンガーシリーズ」の4KUHDブルーレイ化に取り組み、名作の発掘と商品化に余念がない。その東映ビデオが現在掲げている企画が、未だBlu-ray化されていない東映特撮作品の中から、ファン投票を募って発売タイトルを決定する「みんなで決めよう!東映特撮Blu-ray化 PROJECT!」だ。東映は特撮作品の宝庫だが、ソフト化においてはDVD止まりのタイトルもまだまだ多い。このプロジェクトは、そうした東映に眠る膨大な特撮作品を最新技術でリマスター化し、高画質ソフトで後世に残す意義深い企画である。それだけでなく、候補作品の中からファン投票でリマスター作品を決める、ファン目線に立ったBlu-ray化プロジェクトというのが大きなポイントだ。

『快傑ズバット』 Blu-ray BOX発売記念イベントの様子
『超光戦士シャンゼリオン』Blu-ray化記念イベントの様子

 2025年の第1回候補作品の中からは『快傑ズバット』と『超光戦士シャンゼリオン』が、全話収録のBlu-ray BOX化を果たし、『シャンゼリオン』は2025年11月8日に関係者が登壇するBlu-ray化記念スペシャルイベントが開催された。同イベントの参加者からは「思い出話や裏話が聞けて楽しかった」「スタッフ、キャストにとっても青春のような作品だったと知ることができた」という感想があり、放送から29年を経ても消えない制作側と視聴者の熱い絆を感じさせた。『ズバット』も2025年12月27日にBlu-ray発売を記念したイベントが開催された。4KネガスキャンHDリマスターで蘇った第21話の上映後、劇中と同じ衣裳で登壇した宮内洋が撮影当時の思い出を語るトークライブと、サイン入りジャケットのお渡し会で賑わった。どちらのイベントもチケットが即完売だったという。東映ビデオはこうした発売記念イベントを通して製作者とファンの触れ合いの場を設け、地上波放送と東映特撮YouTube Officialの配信でHDリマスター版本編を観てもらうなど、商品の予約に繋げる取り組みも活発に行っている。

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