『リボーン』残された“謎”を徹底考察 高橋一生が見せた“一人四役”級の表現力

 結果的に、大筋の未来は変わらず、あかり商店街の人々は立ち退きを勧告される。それでも、変わった未来もあった。それが自身で命を絶とうとした金平(柳沢慎吾)が命を取り留めたこと、階段から突き落とされて転落死するはずだった光誠が、その後も生存して「NEOXIS」の社長を退任したこと。

 最終回で本作が突きつけたメッセージは、たとえ人が入れ替わったとしても、置かれた立場や環境、自身に向けられる周囲の目線によって、その人格さえもが変化してしまうということ。英人に転生した光誠が商店街の人々の温かさに触れて、何があっても彼らを守りたいと思ったように、光誠に転生した英人は社長としての責務を果たそうとする余り、人を信じることができずに孤独を深めていった。

 そして、2人のグラデーションと揺らめきをていねいに表現した高橋一生の見事な演じ分けが、この物語を支えていたのはいうまでもない。しかも、ただ光誠と英人の一人二役ではなく、英人に転生した光誠の戸惑いと、光誠の中にいる英人の葛藤を、それぞれの表情に忍ばせている。これはもはや“一人四役”といってもいいレベルではないだろうか。神社の前で対峙するシーンは、光誠と英人が言葉を交わすたびに、彼らの心情の浮き沈みが事細かに描写されていた。そして、商店街の人々が昼間から酒を酌み交わす様子に、心の奥でぼそっと入れるツッコミのトーン。高橋が演じていなければ、あれほどシュールな笑いは生まれなかっただろう。

 個人的には、光誠に転生した英人の視点から物語が進んでいく「B面」のアナザーストーリーを観てみたい。きっとこれまで語られることのなかった転生の謎と、高橋の異なる一面と魅力が炸裂する物語になるに違いない。

■配信情報
『リボーン ~最後のヒーロー~』
TVer、TELASAにて配信中
出演:高橋一生、中村アン、鈴鹿央士、横田真悠、小日向文世、市村正親
脚本:橋本裕志
演出:藤田明二、麻生学、二宮崇
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:山形亮介(テレビ朝日)、中込卓也 (テレビ朝日)、河野美里 (ホリプロ)、奥村麻美子(ホリプロ)
音楽:佐藤航
主題歌:宮本浩次「I love 人生!」(UNIVERSAL SIGMA)
制作協力:ホリプロ
制作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
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