『九条の大罪』『コンビニ兄弟』『正直不動産』 脚本・根本ノンジが引っ張りだこの理由
1月期に放送された冬ドラマのうちの2本、『ヤンドク!』(フジテレビ系)と『パンダより恋が苦手な私たち』(日本テレビ系)の脚本を担当した根本ノンジ。4月からスタートする『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』(NHK総合)と『九条の大罪』(Netflix)でも脚本を執筆。さらに、2022年から続いている人気シリーズ『正直不動産』(NHK総合)の映画版も5月に公開予定だ。
2026年は“脚本家・根本ノンジの年”と言っても過言ではないほど、彼の執筆作品が目白押しとなっている。それは、ドラマの視聴者や映画の観客が、根本の作品を求めているからにほかならないと言える。今回は、根本ノンジ作品の魅力を探ってみたい。
小劇団の作・演出、テレビのバラエティ番組の構成作家などを経て、脚本家となった根本。あらゆるジャンルの作品を書きこなし、執筆の速度が速いことにも定評がある。『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)にも、長きにわたって脚本家の1人に名を連ねているが、このシリーズではほかの脚本家よりもコミカルな要素を打ち出しているのが、根本の真骨頂と言えるかもしれない。
『相棒』のように、複数の脚本家で番組作りをしている作品もあるが、根本が単独で執筆しているTVドラマでは、彼独自のカラーによって視聴者の人気を集めている作品が多々ある。『監察医 朝顔』シリーズ(フジテレビ系)は、同名漫画が原作となっているが、根本によって温かい雰囲気に脚色されており、登場人物もチャーミングにアレンジされていたりする。そういった“根本脚本らしさ”のファンは後を絶たない模様だ。
『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ系)や、前出の『正直不動産』シリーズも漫画原作ものだが、根本は漫画をリスペクトし、原作のエッセンスを忠実に取り入れつつ、根本脚本ならではの再構成が施されているのが魅力だ。TVドラマとして楽しめる明るいトーンや、実写だからこその、視覚的に分かりやすいキャラクターの動きが、根本脚本の世界観の中で生き生きとしているのが感じられる。『正直不動産』の主演は山下智久だが、嘘がつけない主人公を大きな演技でコミカルに快演する彼は、ほかの作品ではあまり見られない。山下の楽しい表情が引き出されているのも、根本脚本があってこそだと思う。
特に面白いと感じたのが、やはり漫画原作の『パリピ孔明』シリーズ(フジテレビ系)だ。主人公・諸葛孔明を向井理が演じているが、コスプレ色の強いキャラクターに扮する彼も、『正直不動産』の山下同様、ほかの作品とは一線を画している。筆者は、本作で孔明に扮している向井を見て、これまで以上に彼を好きになった。それは、向井が“根本ワールド”に見事にハマっており、毎エピソード、笑顔にならずにはいられない魅力を発揮していたからだ。根本の脚本は、俳優の新たな一面を引き出す力に満ち溢れていると感じる。