吉沢亮が朝ドラにもたらしたもの 『ばけばけ』『なつぞら』に共通する“陰”の美しさ

 NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)で主人公の渋沢栄一を演じたことのある吉沢は、一人の人間の生き様を追うドラマの主人公としてもちろん輝くことができる。しかし、天陽や錦織のような主人公の親友となり、さらに主人公の人生に大きな影響を与えることで、ドラマ全体を通して“忘れられないキャラクター”となっていく。

 人が自分の人生を大きく転換させようと思ったら行動あるのみだ。だが、最初から“こうなりたい!”、“こうしたい!”という強い情熱が内側から湧き出てこない人もいるし、疲れ果てて、そういう思いを抱けない時だってある。『なつぞら』のなつもアニメーターにはなったが、仕事への情熱を失いかけていたことがあった。そんな時、天陽が最期に残した絵が彼女の心を動かし、強く激励する。死してもなお、絵と親友のなつへの熱い思いは止まらなかった。なつはこれをきっかけに、再び仕事に向き合う情熱を取り戻していく。

 一方の錦織は、溢れ出る英語や異国への思いを“自分のため”ではなく、松江の生徒たちや、さらに先の未来のために使おうとしている。ヘブンはきっと錦織のそういう姿に共鳴したからこそ、一緒に歩んできたのだ。こうして吉沢が演じるキャラクターは“相棒”として、主人公の人生の心強い伴走者であり続ける。

 人生の相棒とは、ぎこちない別れをしたくないものだ。3月9日から始まる『ばけばけ』第23週「ゴブサタ、ニシコオリサン。」では、今はなんとなく気まずいヘブンと錦織の関係が良い方向に変わるように、そして、情熱はあるのに報われない経験ばかりしてきた錦織の心が救われるようにと願っている。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

関連記事