『パン恋』同性カップル役で話題 吉田晴登が明かす、ドラマ出演秘話と役者としての転換点

小林虎之介、野村康太ら同世代の俳優から受ける刺激

――ここからは吉田さんご自身のことも聞かせてください。まず、芸能界に入ったきっかけは?

吉田:もともと両親が映画好きで、よく一緒に洋画を観ていました。小さい頃はストーリーよりも、世界観とかスケールの大きさにワクワクしていたんですよね。今となっては恥ずかしいですけど、本気で「海賊になりたい」と思っていた時期もありました(笑)。だんだんと「海賊にはなれないんだ」とわかるようになってきて、それでも俳優になれば「海賊を演じることはできるんだ」と。そこから自分で事務所を探して応募して、小学3年生のときに入所しました。

――子役の方は「両親に勧められて」というパターンが多い気がしますが、吉田さんは最初からご自分の意思だったんですね。しかも小学3年生で。

吉田:子どもながらに、やってみたいという気持ちは本物だったのかなと思いますね。両親も「やりたいなら、やりなさい」とすんなり肯定してくれました。実はのちのち知ったんですけど、父がカメラマンとしてこの業界に携わっていたことがあるらしく、「自分が見られなかった景色を見てほしい」みたいなところもあるのかなって(笑)。今こうして作品に参加できているのも、あのときの純粋な夢が原点になっているんだなと思います。

――子役時代は「楽しい」という感覚が大きかったと思いますが、ご自身にとってのターニングポイントは?

吉田:3年ほど前に今の事務所に入って、すべてが変わりました。高校の終わり頃に子役事務所を辞めて、3年ほどフリーの期間があって。その間に、子役時代に共演した方のご縁で、今の社長と出会いました。それまでは、どこかで「やらせてもらっている」という受け身な感覚があったけど、そこから自分の至らなさや未熟さとも何度も向き合って。この世界は知れば知るほど難しくて、その分、挑戦しがいがあるし、可能性に満ちている。「もっとできるはず」「もっと上に行きたい」と思えるようになったのは、その頃からですね。

――先ほどお話にあったキャラクターシートを書くようになったのも、その時期から?

吉田:今の事務所に入って最初に出演した映画『私の卒業-第4期- 18歳、つむぎます』は若手発掘・育成プロジェクトで、書類審査から半年間、オーディションがあったんです。その過程で、台本の読み方だったり、役者としての基礎や技術的なところを教わって。みんなで一つの役について、出生から今に至るまでを「これはこうじゃない?」と意見し合う時間もあって、それ以来、キャラクターシートを作るようになりました。あの経験が、作品への臨み方を変えてくれたと思います。

――同世代の俳優仲間の存在も、きっと大きいですよね。

吉田:小林虎之介くんは、そのプロジェクトで一緒で、週に1回、演技トレーナーとのワークショップにも一緒に参加していた仲間なんです。彼が『下剋上球児』(TBS系)でポーンと行ったときには、ワークショップのメンバーみんなで「トラ、行ったなー」みたいな(笑)。僕たちは裏の積み重ねも見ているので、「なるべくしてなったな」とも思うし、すごく刺激になる存在ですね。

――ライバルでもあり仲間でもある、不思議な存在ですよね。

吉田:共演した仲間でいうと、野村康太くんが主演した『6人ぼっち』のみんなとはすごく仲がいいです。オーディションの練習相手を頼み合ったり、飲みに行って「最近どう?」と近況報告したり。熱くなってきたら、「お前、そんなんでいいのか!」って芝居の話をしたりして(笑)。本当に貴重で、ありがたい存在だなと思っています。

――2025年には、『ウルトラマンオメガ』に主人公のバディ・ホシミコウセイ役で出演されました。

吉田:“作品の顔の一人”として立つことが、どういう意味を持つのかを実感できた作品でした。『ウルトラマン』には長い歴史があって、ずっと応援し続けているファンの方々がいるし、子どもたちにとってはヒーローそのものなんですよね。その中心に立つということは、単に演じるだけじゃなくて、それ以上の責任がある。現場では“自分がどう見えるか”よりも、“この作品にどう貢献できるか”をすごく強く意識するようになりましたし、体づくりにもよりストイックになって。俳優としての意識を、確実に一段階上げてくれた作品でした。

――プレッシャーもあったのでは?

吉田:僕が演じたコウセイは、最後にウルトラマンに変身するんです。それは最初のプロット段階からわかっていたので、「それまでの積み重ねをぶち壊す可能性があるかもしれない」と思って、ずっと緊張していました。でも、放送後のSNSにはポジティブな反応がたくさんあって、カレンダーのお渡し会に来てくれた方からも直接声をかけてもらえたことが本当にうれしかったです。年末年始にはヒーローイベントにも参加させていただいて、1日4公演を10日間。正直、肉体的にはしんどかったんですけど(笑)、子どもたちの声を枯らす勢いの声援だったり、大人の方の温かい声援を聞いて、ステージ上で泣きそうになるくらいパワーをもらいました。作品が終わっても俳優・吉田晴登として応援してくださる方たちと出会うことができた、財産のような作品ですね。

――もともとポジティブな性格ですか?

吉田:役者をしていると、だんだんどれが本当の自分なのかわからなくなるんですよね(笑)。ベースは負けず嫌いだと思うんですけど、それを前面に出すというよりは、うまくいかなかった日には一人でずっと考えちゃうタイプです。でも、寝るとリセットできて、「よし頑張ろう」と切り替えられる。だから、結局ポジティブなんですかね(笑)。学生時代はどちらかといえば陰寄りだったと思うんですけど、『ウルトラマンオメガ』以降は陽の役を演じることが増えて、友達からも「社交的」と言われるようになって。いろんな役や環境を経て、変わってきたのかもしれないですね。

――とはいえ俳優を長く続ける中で、迷いを感じた時期もあったのかなと。

吉田:自分の実力不足や不甲斐なさを感じたり、思うように結果が出なかったときには、正直、迷うこともありました。でも、そういうときって本当に応援してくださる皆さんの声を思い出すんです。作品を観てくれる方だったり、現場で支えてくれるスタッフの方たちの存在が、「もう一回頑張ろう」と思わせてくれました。

――応援してくれる皆さんの存在は、本当に心強いですよね。ちなみに今、プライベートでハマっていることはありますか?

吉田:木や植物がすごく好きで、自宅で観葉植物を育てています。それに街中でも、木のグッズを見ると「おっ」と立ち止まっちゃうんですよ。高校生の頃も木の筆箱だったし、シャーペンも木だったし。幼少期に何かあったわけじゃないんですけど、温もりを感じるんですかね。最近気になっているのは、薄くてコンパクトなペーパーカメラ。中のパーツが丸見えのクリアなデザインなんですけど、木のカバーがあって……もしかすると、カメラ本体よりもそこに惹かれているのかもしれないです(笑)。

――なるほど(笑)。

吉田:食べ物だとパクチーがすごく好きなので、コンビニで単品を買ってきて、いろんな料理にまぶしたりもしています。大好きなひきわり納豆にもかけてみたんですけど、「好き」と「好き」を掛け合わせても、「好き」にならないっていうことがわかりました。

――(笑)。今後、挑戦していきたいことはありますか?

吉田:大河ドラマに出たいとはずっと思っています。

――子役時代に『軍師官兵衛』(NHK総合)にご出演されているので、その影響もありますか?

吉田:それもありますが、時代劇に出たときに役立つようにと、小学4年生から乗馬をやっているんです。小学6年生の頃、『蜩ノ記』で役所広司さんの息子役を演じたときに、殺陣や所作も学ばせていただいたので、その経験も活かせたらいいなと思っていて。乗馬×殺陣・所作と言ったら……。

――大河ドラマですね(笑)。

吉田:ですよね!(笑)。今は徐々にステップを踏んでいる段階で、やりたいことはまだまだたくさんあります。どんな役でも安心して任せてもらえるように、派手さよりも、ちゃんとそこで役として生きることを大切にして。共演者やスタッフの皆さんに『またコイツとやりたい』、観てくださる皆さんには『この人が出てる作品なら観てみたい』と思ってもらえる俳優になるために、これからも頑張っていきたいです。

■放送情報
『パンダより恋が苦手な私たち』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00~放送
出演:上白石萌歌、生田斗真、シシド・カフカ、仁村紗和、柄本時生、三浦獠太、片岡凜、佐々木美玲、佐々木史帆、髙松アロハ(超特急)、平山祐介、宮澤エマ、小雪、筧美和子
原作:瀬那和章『パンダより恋が苦手な私たち』(講談社文庫)
脚本:根本ノンジ
演出:鈴木勇馬、松田健斗、苗代祐史
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:藤森真実、白石香織(AX-ON)
音楽:MAYUKO
主題歌:生田斗真「スーパーロマンス」(Warner Music Japan)
制作協力:AX-ON
©日本テレビ
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