『パン恋』同性カップル役で話題 吉田晴登が明かす、ドラマ出演秘話と役者としての転換点
2月21日に放送された、上白石萌歌と生田斗真がW主演を務める日本テレビ系土曜ドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』第7話では、同性カップルの葛藤が描かれた。カメラマン・橘環希(仁村紗和)の弟・橘謙太を演じたのは、『なんで私が神説教』(日本テレビ系)や『ウルトラマンオメガ』(テレ東系)などへの出演で知られる吉田晴登だ。『なんで私が神説教』と同じ“土曜ドラマ枠”に再び出演できた喜びや、恋人・彰役を演じた谷原七音とのやりとり、そして子役時代からの歩みについて、たっぷりと語ってもらった。
これまで以上に準備をして臨んだ『パンダより恋が苦手な私たち』
――『パンダより恋が苦手な私たち』は、昨年出演された『なんで私が神説教』と同じ制作チームの作品ですね。
吉田晴登(以下、吉田):出演が決まったときは、素直にすごく嬉しかったです。『なんで私が神説教』では皆さんに役を愛していただいて、実はその声の力によって、台本にはなかった最終回へのカムバックが実現したんです。今回、また同じチームの作品に出演させていただけるのも、やっぱり応援してくださる皆さんのおかげ。それが当たり前のことではないとも感じているので、これまで以上に準備をして臨みました。
――具体的にどんな役作りをされましたか?
吉田:美容師を目指している役なので、お世話になっている美容師さんから接客やカットを学ばせてもらいました。パートナー役の谷原七音くんとは、以前、同じ舞台シリーズ(『ハイスクール・ハイ・ライフ』3と4)の期違いで同じ役柄を演じたということもあって面識もあったので、衣装合わせで初めてちゃんとお会いしたときに、僕から「連絡先ちょうだいよ」と(笑)。それで二人でご飯に行って、お仕事の話や今までの経験を語り合ったことが、役作りの一つになりました。
――お芝居の話をするというよりは、関係を築く時間として?
吉田:そうですね。本番まで時間がなかったので、演じる謙太と彰がこれまで過ごしてきた時間や空気感をどう出せばいいんだろう、とずっと考えていて。一見関係ないように見えても、プライベートなことも含めていろいろと話せたことで、役柄だけじゃなく“人と人としての距離感”が縮まったのかなと思います。
――実際、撮影に入ってみていかがでしたか?
吉田:その時間があったので、現場で無理に関係性を作ろうという意識はなくて。対峙した瞬間に生まれたものを信じて、二人で作っていくことができました。お姉ちゃん役の仁村紗和さんは、僕が誕生日直後の撮影ということをご存知で、プレゼントまでくださったんですよ。すでに出来上がった信頼の中で役に臨めましたし、「チームみんなで作れた!」という感覚でした。
――同性カップル役を演じる上で、特に意識したことはありましたか?
吉田:すごく大切なテーマでもあると思うので、丁寧に真摯に向き合っていきたい、という気持ちでした。その上で一番意識したのは、特別にしすぎないこと。恋人と向き合ったり、すれ違ったり、思いを伝えたり、不安になったり……それは男女でも男同士でも、本質的には何も変わらないのかなって。だからこそ色をつけすぎず、あくまで一人の人間としての恋愛を丁寧に積み重ねることを心がけていました。
――印象に残っているシーンはありますか?
吉田:彰と謙太が偶然再会した、東京タワーが見えるベンチでのクライマックスシーンです。台本のト書きには細かい表情まで指定はなかったんですけど、実際に彰の言葉や表情に触れたとき、謙太として自然に感情が溢れてきて。あのベンチに座ったときには、もう演じている感覚がほとんどなかったんですよね。恋人同士の会話の中で、何を選んで、どう未来に進んでいくのか。たった数分のシーンだけど、二人の“これまでとこれから”が詰まったとても濃い時間で、すごく大切なシーンになりました。
――ゲスト出演だからこその難しさもあったのでは?
吉田:限られた中で情報を伝えなければいけないので、すごく難しいポジションだなと思います。でも今回は、監督やプロデューサーが「説明する芝居はいらないから、二人だからこその空気感や距離感を大切にしてほしい」と。過剰にドラマチックにはせずに、感情をしっかりと通わせる。そのバランスを常に意識して演じていました。それから、制作チームから事前に細かいキャラクターシートをいただいたんです。僕自身、普段から演じる役の生い立ちまでを遡るようなシートを作るようにしているので、それと照らし合わせて、共通認識を持って現場に挑むことができました。