1980年公開の“問題作”が“本来の姿”に 『カリギュラ 究極版』2026年1月23日公開決定

『カリギュラ 究極版』2026年1月公開決定

 1980年に公開された映画『カリギュラ』を再編集した『カリギュラ 究極版』が2026年1月23日より新宿武蔵野館、TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開されることが決定。あわせて予告編と場面写真が公開された。

 1976年、ペントハウス誌の創設者ボブ・グッチョーネが、映画史上最高額の製作費を投じて自主製作映画『カリギュラ』を企画した。セックスとアートを融合させ、史上最も退廃的とされる皇帝カリギュラを描く歴史大作として、脚本にゴア・ヴィダル、監督にティント・ブラスを起用。さらに、『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェル、後に『クィーン』でアカデミー主演女優賞を受賞することになるヘレン・ミレン、『アラビアのロレンス』のピーター・オトゥールらイギリスの俳優たちが参加し、公開前から大きな期待を集めていた。しかし、製作中に様々なトラブルに見舞われ、完成時には製作費は2倍に膨れ上がり、脚本家やスタッフらが訴訟を起こす事態に発展。撮影完了後には、監督は解雇され、編集と音楽の担当はクレジットを拒否した。

 そんなトラブルを経て、1980年にようやく公開された『カリギュラ』は、グッチョーネが勝手にポルノシーンを付け加えたり、脚本を書き換えたりしていた。批評家からは酷評され、フィルムは警察に押収、わいせつ罪にも問われた。しかし公開時に異例の興行収入を記録し、今でも世界的に高い人気を誇っている。

 波乱を呼んだ公開から45年。破棄されたと思われていたフィルムが奇跡的に発見され、90時間以上の素材を再編集した“本来”の『カリギュラ』がついに蘇り、『カリギュラ 究極版』として公開される。

 紀元一世紀前半、ローマ帝国の王室は第二代ローマ皇帝・暴君ティベリウス(ピーター・オトゥール)の下で堕落しきっていた。初代皇帝の曾孫であるカリギュラ(マルコム・マクダウェル)は、祖父であるティベリウスの異常性癖に辟易しながらも重度の性病に侵される姿を横目に、その王座を虎視眈々と狙っていた。やがてティベリウスは病床に臥せ、この好機を逃さなかったカリギュラは親衛隊長マクロと共に暗殺を企て、ローマ皇帝の座を強奪することに成功した。第三代ローマ皇帝となったカリギュラは、世継ぎのためにカエソニア(ヘレン・ミレン)という淫乱女を妻に迎え、本格的な統治を開始する。はじめは民衆から絶大な人気を得ていたが、内なる欲望を抑えきれず徐々に暴君の片鱗を見せ始める。

 公開された本国ビジュアルは、コインの中に刻まれたカリギュラの肖像が、目から血の涙を流すというデザインが印象的な一枚に。場面写真では、カリギュラが、皇后カエソニアの首筋にそっと手を添えながら、観る者を突き刺すような鋭い眼光をこちらに向けている。また、巨大な真紅の装置の上で兵士たちが槍を掲げ整列する異様な光景を前に、笑顔で拍手を送るカリギュラの姿も切り取られている。

映画『カリギュラ 究極版』本予告

 あわせて公開された予告編は、「私は人間ではない! つまり私は、神だ」という、カリギュラの狂気を帯びた名セリフで幕を開ける。続いて豪華絢爛な宮殿内部の様子や、巨大でおぞましい処刑マシーンが首まで地中に埋められた人間の頭を跳ね飛ばそうとする場面など、本作ならではの美しく派手でありながら恐ろしいシーンの数々がテンポよく展開していく。そこに重なるのが、迫力満点の「カリギュラ!」というかけ声。この叫びは、オリジナル版公開当時に「カリギュラ!」のギャグを披露し、本作でもナレーションを担当するせんだみつおによるものだ。

 続くキャラクター紹介にも、本作らしい過激な表現が満載となっており、主人公・カリギュラは「狂気の暴君」、皇妃カエソニアは「淫乱妻」、前皇帝ティベリウスは「異常性癖皇帝」と、衝撃的なキャッチコピーが並ぶ。映像のラストには、宮殿で催される豪華絢爛な宴、大浴場で男女が妖しく絡み合う場面など、 豪華さといかがわしさが同居する本作ならではの世界が広がる。

映画『カリギュラ 究極版』せんだみつおオフィシャルインタビュー映像

 また、せんだが『カリギュラ 究極版』について語るオフィシャルインタビュー映像も公開。カリギュラと同じコスチュームを身にまとったせんだは、冒頭で「映画『カリギュラ 究極版』予告のナレーションを担当しました、わたくしせんだみつおです。カリギュラ〜!! ナハッ!」と早くもエンジン全開で登場。かつて『カリギュラ』の名を自身のギャグに取り入れていたというせんだは本作について、「怖い、そして歴史の勉強になる、そして見ないと損をします!」と断言。「あの当時、ビートたけし君がコマネチ、私がカリギュラ、それで生き残りました」というエピソードを交えながら、「カリギュラ! カリギュラ! カリギュラ〜!! ナハッ!」と魂の連呼で作品をアピールした。

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■公開情報
『カリギュラ 究極版』
2026年1月23日(金)新宿武蔵野館、TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
出演:マルコム・マクダウェル、ヘレン・ミレン、ピーター・オトゥール、ジョン・ギールグッド、テレサ・アン・サヴォイ
製作総指揮:ジャック・シルバーマン
製作:フランコ・ロッセリーニ、ボブ・グッチョーネ
脚本:ゴア・ヴィダル
主要撮影:ティント・ブラス
究極版プロデューサー:トーマス・ネゴヴァン
提供:ハピネットファントム・スタジオ、シンカ
配給:シンカ
2023年/アメリカ・イタリア合作/178分/原題:Caligula:The Ultimate Cut/R18+
©1979, 2023 PENTHOUSE FILMS INTERNATIONAL
公式サイト:https://synca.jp/caligula_kyukyoku_movie/

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