葵わかな、高校時代は“悩んでしかいなかった” 「いろいろ乗り越えてきたなと自信を持てる」

葵わかな、高校時代は“すごくネガテイブ”

 葵わかなと神尾楓珠がW主演を務める連続ドラマ『すべての恋が終わるとしても』が、ABCテレビ・テレビ朝日系で放送中。冬野夜空による同名の超短編集が原作となる本作は、“忘れられない恋”をテーマにした切ないラブストーリーだ。

 “140字の物語”をドラマ化することでも話題を集めている本作。神戸の美大に通う由宇を演じる葵に、初共演となる神尾の印象をはじめ、自身の高校時代の思い出や転機となった作品について語ってもらった。

神尾楓珠は「私ができないことをやっている」

ーー撮影を振り返っていかがですか?

葵わかな(以下、葵):由宇は、切なくて寂しくて、ネガティブな感情が中心にある役柄でした。でも、そのなかで温かさやエモーショナルさを感じる部分もあって。すごく複雑な物語だったなと思います。

ーー由宇に共感する部分はありましたか?

葵:由宇のほうが、私よりも柔らかさやまろやかさがあるかな。私は、1人で「どうしよう!」と焦っているタイプだったので。由宇みたいに、自分をまろやかにしてくれるものとの出会いがあったら、もっと変わっていたのかなと思います。

ーー男女8人の人間関係をそれぞれ描くというのも、ドラマとしては珍しい作りですよね。

葵:私も自分の物語しか知らないので、ほかの皆さんの物語がどうなっているのか楽しみです。

ーー神尾楓珠さん以外の方とは共演シーンもなかったんですか?

葵:物語が重なる部分はあるんですけど、そんなに深く関わることがあまりなかったので。今日の会見(※取材日は制作発表会見当日)で初めてお会いする方もいました。

ーー神尾さんとは今回が初共演になりますが、ご一緒していかがでしたか?

葵:神尾さんはクールな印象があったので、「どんな方だろう?」と思っていたら、ものすごくフランクな方で驚きました。そのおかげで、同級生役のしっくりくるような空気感を作れてよかったです。私が持っているものと神尾さんが持っているものって、色味や系統が違うと思うんですよね。私ができないことをやっているのが、神尾さんというか。

ーーどのようなところに違いを感じたんですか?

葵:詳しくお芝居の話をしたことがないので想像になってしまいますが、役づくりの仕方や役に対する距離感、捉え方が違う気がしました。あとは、何を軸に持っているのか、とか。私にとっては、不思議に映るバランスをお持ちの方でしたね。またご一緒する機会があれば、その不思議の理由を見つけたいです。

ーー葵さんはどのように役づくりをされるんですか?

葵:私は、頭で考えてしまうタイプです。現場に入る前に、役の輪郭をある程度描いておきたいというか。それを、監督と共有するのを大事にしているんですけど、神尾さんはまた違う気がしました。でも、積極的にコミュニケーションを取られていたりもしたので……そのバランスが不思議ですね。

ーー松本花奈監督とは年齢も近いですよね。

葵:今回の作品で描くのが、私たちと同世代の恋愛だからこそ、「こういうときって、こう思うよね?」みたいな、うまく言葉にできないけど、“何か”ある感じをニュアンスで伝え合えた気がします。「こういうときって、逆に強く言いません?」とか、「ここまで悲しいと、逆に笑いません?」とか。言葉にならないニュアンスを汲み取っていただけて。「心がリンクしている!」と思える瞬間がたくさんあって、楽しかったです。

ーー140字のストーリーがドラマになるというのも面白いですよね。

葵:すごい挑戦ですよね。140字って、物語というよりは詩とか短歌に近いと思うんです。それが、どんな過程で脚本になったのか。細かい部分はわからないので、すごく興味があります。原作がお好きな方には、新しいものとして楽しんでいただけるのか、それとも原作のニュアンスを感じ取っていただけるのか……そのあたりのリアクションも楽しみです。

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