岡部たかし、『ばけばけ』で盟友ふじきみつ彦とのタッグに喜び 「ちょっとは出るかもと」

 2025年度後期(大阪制作)NHK連続テレビ小説『ばけばけ』に出演している岡部たかしのコメントが公開された。

 朝ドラ第113作目となる本作は、松江の没落士族の娘・小泉セツをモデルにした物語。外国人の夫、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に、「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心の物語に光をあて、代者として語り紡いだ夫婦の姿が描かれる。主人公・松野トキを連続テレビ小説初出演となる髙石あかり、トキの夫ヘブン役をトミー・バストウが演じる。

 岡部が演じるのは、主人公トキ(髙石あかり/福地美晴)の父親・松野司之介。『虎に翼』(2024年度前期)に続き朝ドラで父親役を演じるが、脚本を担当するふじきみつ彦との縁が出演決定の大きな喜びだったと語る。「ふじき君が朝ドラの脚本を担当することが決まった時は、本当にちまたは歓喜に沸いたんです。まさか自分も出られるとは思っていなかった」と心境を明かした。

 演じる司之介は、時代の変化に翻弄されながらも家族を守ろうとする父親。「娘のためならまっしぐらなところがあり、この子を大事にするぞ、苦しくてもこの子のためならという親心がある」と役柄への思いを語っている。

 また撮影現場でのエピソードについては「最初の『丑の刻参り』のシーンはすごく覚えています。冷静に考えると変なんですけど、それを真面目にやらないと面白くない」とユーモアを交えつつ振り返った。

 最後に「良い意味で『虎に翼』の父親像とは違う姿を見せたい。ふじき君の書く会話劇を楽しんでいただければ」と視聴者に向けてメッセージを寄せた。

岡部たかし(松野司之介役)コメント

「虎に翼」でもお父さん役をやらせてもらったので、最初に聞いた時は、本当にいいのかなと思いました。でも、今回「ばけばけ」の脚本を担当しているふじきみつ彦君は、ずっと一緒に演劇をしてきた仲で、それが何よりもうれしかったですね。ふじき君が朝ドラの脚本を担当することが決まった時は、本当にちまたは歓喜に沸いたんですよ。まさか自分も出られるとは思っていなかったんですけど、……いやちょっとは出るかもと思っていたかな(笑)。ずっと一緒にやってきたふじき君の朝ドラに出られることが、すごくうれしかったですね。

娘への思いとのはざま、時代のはざまなど、常に「変化のはざま」の中にいる人だと思います。奥さんのフミさんのセリフにも、「父上はね、立ち尽くしちょるの」とあるのですが、時代に翻弄され、どちらにも行けないでいる司之介のことをよく表しているセリフだと思います。父である勘右衛門さんからは武士道をたたき込まれてきましたが、一方で、そうだと思えば行動できる人でもあります。特に、娘のためならまっしぐらなところがあり、この子を大事にするぞ、苦しくてもこの子のためならという親心があるのだと思います。

髙石さんは、良い意味でベタベタもしてこない。でも、しゃべりかけに行っても普通にしゃべってくれるし、愛想もいいし、ずっと自然体でいる子やなぁという印象です。フミ役の池脇さんは今回が初共演ですが、ものすごく仲良くなりましたね。勘右衛門役の小日向さんは、本当に面白くて明るい人。この先、小日向さんが演じる勘右衛門が、赤ちゃんだったトキを初めて抱くシーンがあるのですが、そこで涙が出そうなくらい感動したんです。松野家のみんながトキのことを本当に思っていて、それを象徴しているようなシーンだと思います。

最初の「丑の刻参り」をしているシーンは面白いですよね。最初に撮影したシーンだったんですが、皆さんと演技するのもほとんど初めてだったし、頭から最後まで止めずに撮影するという緊張感もあったので、すごく覚えています。冷静に考えると、丑の刻参りをしているのも変なんですけど、それを真面目にやらないと面白くないので、本気でそう思っているところを演じようと思いました。また、司之介が新しい事業を始めるためにウサギをいっぱい買ってくるシーンがあるのですが、ウサギが可愛いから、ちょっと笑えるんですよね。でも、実はそれが借金の元凶になるので、笑えないんです。真面目に言えば言うほど面白いところは、ふじき君の本の書き方だと思いながらやらせてもらっています。

僕は、今回もお父さん役をやっていますけれど、『虎に翼』の直言さんとは人も違うし時代も違います。『虎に翼』も大好きな作品ですが、良い意味でそのイメージを覆せるように、僕もまた新たな気持ちでがんばりたいと思っています。

ふじき君の脚本の魅力は、「会話」だと思っています。ふじき君が書く会話劇が何ページにもわたって続くところがあって、一見ただしゃべっているだけのシーンに思うかもしれないけど、そのセリフの一つひとつにキャラクターの色が出ていると思います。視聴者の皆さんには、朝ちょっと手を止めていただいて、その会話を楽しんでほしいですね。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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