共通点は“ギラギラ感”? ラウール、山下智久ら“ホスト役”で存在感を放つ俳優たち

ラウールら、ホスト役で存在感を放つ俳優たち

 Netflixシリーズ『地面師たち』で吉村界人が演じたのは、詐欺集団に利用されて転落していくナンバーワンホスト・楓だった。彼の存在が印象に残ったのは、単なるクズとして描かれるのではなく、どこか愛嬌や脆さを漂わせ、人間味をにじませていたからだろう。筆者も彼のまっすぐで力強い演技の迫力に心を揺さぶられた。

『地面師たち』©新庄耕/集英社

 吉村が放つ独特の気配は、社会への違和感や反骨心を内に秘めているからこそ生まれるものだろう。虚構のキャラクターに留まらず、“抗う若者”としてのリアリティを帯びさせる力が、彼の演技にはある。華やかさの裏に潜む不安定さや弱さをも含めた危うい光こそが吉村界人の“ギラギラ感”の源泉となっている。

 4人に共通しているのは、外見のキラキラだけでは届かない部分を、内面から立ち上る熱として画面に刻み込んでいる点だ。ホストという職業が自分自身を売る仕事である以上、そこに説得力を与えるのは、覚悟や執念といった生々しい感情を演技ににじませられる俳優だけだろう。

 観客がホスト役に惹かれるのは、華やかな非日常の裏に、欲望や葛藤、時には弱さすら見えるからだ。単なる輝きではなく、野心や自信、あるいは危うさといった“ギラギラしたオーラ”を漂わせられるかどうか。そこに、現代のホスト像を体現できるか否かがかかっている。結局のところ、ホスト役を輝かせるのは華やかさではなく、生きようとする熱そのものなのかもしれない。そこに人は惹きつけられ、記憶に刻まれるのだ。

参照
https://realsound.jp/movie/2025/07/post-2082821_2.html

『愛の、がっこう。』の画像

木曜劇場『愛の、がっこう。』

井上由美子が完全オリジナルストーリーで描く、すれ違うことすらないはずの2人が出会い、惹かれ合うラブストーリー。高校教師・小川愛実が、文字の読み書きが苦手なホスト・カヲルに秘密の“個人授業”を続ける中で次第に距離を縮めていく。

■放送情報
木曜劇場『愛の、がっこう。』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:木村文乃、ラウール(Snow Man)、田中みな実、中島歩、坂口涼太郎、味方良介、野波麻帆、早坂美海、荒井啓志、別府由来、りょう、筒井真理子、酒向芳、沢村一樹
脚本:井上由美子
演出:西谷弘
プロデュース:栗原彩乃
音楽:菅野祐悟
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/aino_gakkou/
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