岸井ゆきの×宮沢氷魚『佐藤さんと佐藤さん』本予告公開　藤原さくら、中島歩ら新キャストも

　11月28日に公開される岸井ゆきのと宮沢氷魚がW主演を務める映画『佐藤さんと佐藤さん』の本予告と本ビジュアルが公開され、藤原さくら、三浦獠太、佐々木希、中島歩らオールキャストが発表された。

　第32回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で上映された本作は、苗字が“佐藤”同士の男女が、交際、結婚、出産を経て歩んだ15年間を丁寧に描き出したヒューマンストーリー。初オリジナル長編映画『ミセス・ノイズィ』がNYジャパンカッツ観客賞、日本映画批評家大賞脚本賞を受賞した天野千尋が監督を務めた。

　芯が強く明るい佐藤サチを岸井、真面目でインドアな佐藤タモツを宮沢がそれぞれ演じ、W主演を務める。

　藤原が演じるのは、サチ（岸井ゆきの）の後輩で、夫に浮気されサチの元へ離婚相談に訪れる篠田麻。サチを慕い、母親になってからの自分のアイデンティティーにもがきながら前へ進む女性だ。また、実家で暮らすタモツ（宮沢氷魚）の弟・佐藤洋太役を三浦、タモツと同じ学校出身で地元の居酒屋で紅一点で働く吉田リサ役を佐々木、サチの弁護士事務所に依頼をする東海林明役を中島歩が演じる。

　さらに、田村健太郎、前原滉、山本浩司、八木亜希子、ベンガル、田島令子が共演に名を連ねる。

　公開された予告編は、「結婚しようか」と自宅でタモツがサチに笑顔でプロポーズし、サチが満面の笑顔でタモツに飛びつき喜びあう幸せの絶頂のような場面からスタート。しかし画面には、「さよならまでの15年」という文字が……。司法試験の合格発表でサチの方が合格し、タモツとの気まずい雰囲気が流れる瞬間が映し出され、その後、家計を支える弁護士となったサチと、育児をしながら司法試験4浪中のタモツという対照的な2人の日常が切り取られていく。

　さらにタモツが憤慨しそうな「トイレットペーパーないよ」というサチの何気ない家庭での一言や、子どもを抱っこ紐でおぶりながら両手にオムツを持ち疲れ果てた表情を見せる買い物帰りのタモツの姿、弁護士として働くサチと、まだ幼い子どもの面倒を見ながら司法試験の勉強に向かうタモツという、2人の真逆の生活がお互いの声にならないイライラと共に重なっていく。

　そして後半では、「失くすものの方が多い気がしますよね、結婚て」というタモツの言葉や、何かがはち切れたかのように路上で大声で言い合いを始める2人のシーン、「追いつくわけがないんだよ！　永遠に！」とタモツがサチへ叫ぶ姿、「タモツ、逃げてるよね」というタモツに向けたサチの核心をついたセリフ、さらに「私は何年も自分のこと全部後回しで、タモツとフクのことばっかりなのにさ」というサチの心からの叫びのシーンが切り取られ、最後には2人の幸せだった頃の笑顔の瞬間と共に「誰かと生きることーーヒリヒリするほどリアルな、私たちのマリッジストーリー」という言葉が添えられる。

　あわせて公開された本ビジュアルには、笑顔で抱き合うサチとタモツの夫婦と、幼い2人の子どもをあやす幸せいっぱいの家族の写真が切り取られており、横には「大好きなのに」「愛してるのに」「さよならまでの15年――」というコピーが添えられている。

　さらに、本作の主題歌が、優河が本作のために書き下ろした「あわい」に決定。優河は、「物語のあとに少しでも心が解けるような、なにか肯定されるような、そんなひとときになったらいいなと楽曲を作りました。素晴らしいバンドの演奏と、ストリングスアレンジをお楽しみください」とコメントを寄せている。

優河（主題歌）コメント

“私”と“あなた”との間（あわい）には言葉になれずに通り過ぎていくものがたくさんあります。
確かなものほど時に形にならず、不確かなものほど実感として残る。曖昧な気持ち、曖昧な記憶、曖昧な愛情。首を傾げながらも歩き続けて、私たちはまたどこかに辿り着く。
物語のあとに少しでも心が解けるような、なにか肯定されるような、そんなひとときになったらいいなと楽曲を作りました。素晴らしいバンドの演奏と、ストリングスアレンジをお楽しみください。

■公開情報
『佐藤さんと佐藤さん』
11月28日（金）全国ロードショー
出演：岸井ゆきの、宮沢氷魚、藤原さくら、三浦獠太、田村健太郎、前原滉、山本浩司、八木亜希子、中島歩、佐々木希、田島令子、ベンガル
監督：天野千尋
脚本：熊谷まどか、天野千尋
主題歌：優河「あわい」（ポニーキャニオン）
音楽：Ryu Matsuyama、Koki Moriyama（odol）
制作プロダクション：ダブ
配給：ポニーキャニオン
2025年／日本／カラー／アメリカンビスタ／DCP／5.1ch／114分
©2025「佐藤さんと佐藤さん」製作委員会