日本初“プレースメント広告型”ショートドラマ誕生 エアアジア『Fly and Go!』の革新とは

 さらに、このモデルならではのクリエイティブへの恩恵もあるという。

「現在のショートドラマはどちらかといえばネガティブな、人間の負の感情をくすぐるような内容が多いですが、広告主が自社サービスのために出資して作品を作る場合は明るい話題になりやすいので、クリエイティブの幅も広がる余地があります。テレビドラマを作るとなると数億円かかるのも当たり前ですが、ショートドラマでは大体50話を1500万円程度で作ることができる。上記のような副次的効果があるのですごくいい事例になるかなと。少し裏話ですが、今回の収録の海外ロケは最大でも10人で行っています。これがドラマの現場となると、撮影スタッフが80人前後になるのも当たり前なので、従来のドラマ・映画の感覚からするとかなり安価に作ることができるのです。4月に撮影を始めて、納品は6月〜7月だったのでスピード感もすごい。それでいて本編を観ていただいたらわかるとおり、クオリティの高いものになっています。4カ国周っているので世界遺産での撮影などもあり、視聴者にとっても見応えある映像になったと思います」

 実際、『Fly and Go!』にはさまざまな観光地が登場する。凛(木村葉月)と彼氏の絢人(菊池瑛仁)はマレーシア・クアラルンプールへ。ウェディングフォトを撮影するという昼間の海辺の絶景と、現地の鮮やかな夜景がスマホの縦画面でサクッと楽しめる。

 ちなみに凛と絢人は旅行中に若干“修羅場”になるがそれはさておき、このような“ロケ撮影”と“ショートドラマ制作のコストの低さ”の融合には大きなメリットがあるという。金子氏はこう続ける。

「このやり方を現地のコーディネーターの方などに話すと、観光庁も興味持ってくれて、日本からのアウトバウンドが欲しいといった話につながります。国内でも、地方のテレビ局などがこのやり方で首都圏から人を運んでほしいというような話もあります。観光業的なトピックにもショートドラマは相性がいいだろうなと思っています。従来のマーケティングだとインフルエンサーを呼んで、企画を考えて……といった選択肢しかなかったところに、もっと簡易的にその土地の特徴を生かしたドラマを作って、聖地巡礼につながるといったことが起こりえます。今後ショートドラマのプレースメント広告が主流になれば、一企業がブランディングのために一本ドラマを持つのが当たり前になる時代もありえるのではないでしょうか」

 近年、急激に市場を拡大させているショートドラマ。その中でエアアジア『Fly and Go!~世界一ドタバタな出張~』がどんなインパクトを残すことになるか。

エアアジアオリジナルショートドラマ
『Fly and Go!~世界一ドタバタな出張~』特集

アジア9都市を舞台にした、日本初の本格ロケショートドラマ『Fly and Go!~世界一ドタバタな出張~』。 映画『蛇にピアス…

■配信情報
『Fly and Go!~世界一ドタバタな出張~』
ショートドラマアプリ「BUMP」にて、前半20話配信中
7月より後半28話順次配信
出演:濵咲友菜、木村葉月、蒔木瑠人、 西塚郁哉
監督:金子光三朗
脚本:宮脇卓也、金子光三朗
制作プロダクション:株式会社 One Acre Short Drama
提供:Thai AirAsia X Co., Ltd.
配信ページ:https://emolebump.go.link/hb50I

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