『あんぱん』はより史実に近づいていく 脚本・中園ミホが大切に描いたのぶと嵩のこれから
東海林に言われ、入社試験の手伝いに駆り出されたのぶ。試験問題を配っていると、そこに遅れて現れたのが、まさかの嵩だった。まばたきすらも止まったのぶは、「たまるかー! 嵩、どういてここにおるがで」と心の内で叫ぶ。そこが試験会場というシチュエーションもあり、『あんぱん』としてはこれまでになかった、のぶの“心の声”が発動した。
第70話では東海林がのぶと岩清水に、「今、社員の募集かけちゅうやろ。そこから うちに1人引っ張ろうと思うちゅう。次号の準備もあるきにゃ」と話しており、これが入社試験への自然な導入になっている。同時に嵩の高知新報への入社についても。
以前、脚本の中園ミホは、取材の中で「高知新聞社で2人が出会う頃からは、史実に忠実に描いています」「特に戦争直後に2人が出会ったということは、その後の2人の人生に大きな意味があると思うので、とても大切に描きました」と話していた(※)。『あんぱん』としてはのぶと嵩は幼い頃に御免与町で出会っているが、史実ではモデルとなっている暢とやなせたかしは高知新聞社で初めて出会っている。つまり、ここからが“より”史実に近づいていくということ。
「この2人のキャラクターが出会ったら、こういう会話をしてこういうことが起きるんじゃないのかなとイメージして作っていったら、自然と恋に落ちていきました」「久々に大恋愛をたっぷりと書いているので、それも楽しいですね」とのぶと嵩の恋愛についても語っていた。予告にものぶの「この人とやったら不幸になってもえい」というセリフが登場しているが、ようやくのぶと嵩の恋愛が描かれようとしている。
脚本家・中園ミホが『あんぱん』に込めた“やなせたかしの精神” 戦争を正面から描く決意も
NHK連続テレビ小説『あんぱん』の脚本を手がける中園ミホは、小学4年生の時にやなせたかしと文通を始めたという。「アンパンマンのマ…参照
※ https://realsound.jp/movie/2025/05/post-2025025.html
■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK