畑芽育の“コメディ”へのこだわり

——畑さんは俳優として本作にどのように向き合っていましたか？

畑： 私はコメディがすごく好きなので、自由に楽しくやらせてもらいました。自分の好きなように、おふざけも入れつつ演技していた時間はとても生き生きしていたなと感じます。ただその分、結構疲れました（笑）。自分で火種を持ってきて、熱量を一気に放つので、コメディだと体力を使うんです。もちろん普通の会話劇も大変ですが、コメディはまた別の難しさがあります。でもやっぱり楽しい。こういうテイストの作品が好きだなと、改めて思った撮影でした。

——さほ子のリアクションもすごく印象的でした。メガネを曇らせるところなど、ちょっとアニメ的というか、漫画的というか。

畑： そうですね。わざとらしいぐらいにやって、「やりすぎだったら言ってください」と伝えていました（笑）。

——何かお手本にしている作品などはありますか？

畑：王道ですが、福田雄一さんの作品が好きです。それと学生時代に通っていたお芝居のレッスンで、先生がコメディの素質をすごく引き出してくださいました。コメディの台本を演じるときは、その先生がどれだけ笑ってくれるかを意識して、熱心に取り組んでいました。やはりおもしろくて笑えることが好きなんです。現場でもなるべく楽しくいたいから、ついふざけてしまいますね。もちろんシーンごとにしっかり気持ちを持っていくのも大事なのでメリハリはつけますが、みんなでくだらないことを言い合ってずっと笑っていたいという気持ちは強いです。

——特に「このシーンは楽しかった」という場面があれば教えてください。

畑：強いて言うと……冒頭の神社のシーンです。ライブシーンから神社へ移って、さほ子が一人でぶつぶつ言ってニヤっとする場面があるのですが、あれはさほ子というキャラクターが一目でわかるシーンだったと思います。自分でものびのびと演じられていたなと感じます。

——逆に「ここは難しかった」と感じた場面はありましたか？

畑： 難しかったというより、監督と一緒に悩んだのは、さほ子が芸能界に足を踏み入れる瞬間の感情表現です。テレビ局にお弁当を配達に行くシーンで、さほ子にとってはまったく未知の世界なので、テレビ局や芸能人たちを初めて目にしたときの感動をどうやって表現すればいいのか。私はずっと芸能界にいるからそういう感覚はもう薄れているかもしれないですが、さほ子にとっては初めてのことで、どうすれば“新鮮な目線”を出せるか、私自身も考えました。でも、実際に現場に行ったらにこるんさん（藤田ニコル）を見て本当に感動している自分がいて（笑）。子どもの頃にテレビ局にオーディションを受けに行ったときのことを思い出しながら演じました。

——畑さんは芸歴で言えばもう約20年やられているので「さほ子のような普通の子」をどう演じるんだろうと気になっていました。

畑： そうなんです。数字だけ見れば、20年やっているんです（笑）。でも、原作のさほ子の表情やリアクションを見て、「ああ、こういうふうに驚くんだ」とか「こういうときにテンション上がるんだ」というのがしっかり描かれていたので参考になりました。それに私自身ミーハーなところがあるので（笑）、実際に芸能人を目の前にしたら嬉しくなっちゃうだろうなと想像してやっていました。あとは皆さん本当にキラキラしていて、普通に緊張してました（笑）。

——畑さんご自身は演技を“長年やってきた”感覚はあるのでしょうか？

畑：同世代が集まる現場だと「あ、自分、結構長くやってきたんだな」と感じることもあります。映画初出演の大久保波留くんや、NAOYAくんみたいにほぼ初めて演技をする方々を見ると、「私が初めてお芝居したのって何年前だったかな」と思い返したりもします。でも、別の作品では私が一番年下だったりもするので……。やっぱり芸能界って、長い時間かけて築かれてきたものがあって、しきたりとか文化とか、まだまだ知らないことがたくさんある。数字だけ見ればベテランかもしれませんが、自分としてはまだまだ新人という感覚です。

——将来の俳優像はありますか？

畑：芸歴は関係なく、常に謙虚でいたいですし、逆にまわりに気を遣わせないような、フランクな人間でいたいなと思っています。本作のようにキラキラした作品に出させてもらえるようになって、初号試写のときに自分の名前がバーンと出てきたりすると、今でも感動します。現実味がないような気持ちになる瞬間もありますけど、でもここまでやってきたことは確かなものだし、自分が重ねてきたものを大切にしながら、これからも少女漫画原作のような作品に挑戦していきたいです。ヒロイン像にもいろいろな種類がありますし、多様に演じ分けられる女優でありたいですね。

——本作もそうですが、近年畑さんが演じる人物は“イケメンに翻弄されがち”な印象があります。

畑：確かに。この世の中にはイケメンが多いんです……（笑）。今度は「クラスのマドンナ」役をやりたいと書いておいてください（笑）。たまには自分が翻弄する側になってみたいです。

■公開情報
『君がトクベツ』
全国公開中
出演：畑芽育、大橋和也（なにわ男子）、木村慧人（FANTASTICS）、矢吹奈子、山中柔太朗、大久保波留（DXTEEN）、NAOYA（MAZZEL）、星乃夢奈、遠藤憲一、佐藤大樹（EXILE / FANTASTICS）
原作：幸田もも子『君がトクベツ』（集英社マーガレットコミックス刊）
監督：松田礼人
脚本：おかざきさとこ
楽曲コンセプト：渡辺淳之介
主題歌：LiKE LEGEND「YOU ARE SPECiAL」
製作：「君がトクベツ」製作委員会
製作幹事・配給：ギャガ
制作プロダクション：TBSスパークル
©幸田もも子／集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会
公式X（旧Twitter）：@kimibetsu_movie

▼畑芽育 チェキプレゼント▼

畑芽育のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

＜X（旧Twitter）からの応募＞

リアルサウンド映画部公式Xをフォロー、本記事の投稿、または応募投稿をリポストしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。

リアルサウンド映画部公式X

＜Instagramからの応募＞

リアルサウンド公式映画部Instagramをフォロー、本記事の投稿にいいね＆コメントしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。
当選者の方には、リアルサウンドXアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

リアルサウンド映画部公式Instagram

※非公開アカウント、DMを解放していないアカウントからの応募は抽選対象外となりますのでご注意ください。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります（転売、オークション・フリマアプリ出品含む）。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。

＜応募締切＞
7月5日（土）