『リロ&スティッチ』吹替版クリップ公開 スティッチを“実在”させるためのこだわりとは

 全国公開中の実写版『リロ&スティッチ』の吹替版クリップが公開された。

 ディズニーの人気アニメーションシリーズ『リロ&スティッチ』を実写化した本作。美しい海が広がるハワイを舞台に、両親を亡くし2人で暮らす姉妹と、破壊のために生み出されたエイリアンのスティッチによる、“オハナ<家族>”の絆が描かれる。

「リロ&スティッチ」吹替版クリップ「この子の名前!スティッチ!」編|大ヒット上映中!

 公開されたのは、車の中で大暴れするスティッチに、リロが「スティッチ」と名付けるシーンの吹替版クリップ。リロとスティッチの微笑ましいやり取りが垣間見える。

 そんな本作でアニメーション・スーパーバイザーを務めたマット・シャムウェイは、「実写化における一番の挑戦はスティッチを"実在"させることでした」と語り、スティッチが目の前にいるかのようなリアリティを実現すべく、“精巧なパペット制作”と“最新CG技術の融合”による徹底的なこだわりを込めていたことを明かした。

 本作では、『スター・ウォーズ』シリーズや『アバター』シリーズを手がけ、アカデミー賞視覚効果賞を過去に15回受賞した経歴をもつ制作会社インダストリアル・ライト&マジック(通称:ILM)が視覚効果を担当し、『マンダロリアン』でグローグーのパペット操演を担当したLegacy Effectsがスティッチのパペットを制作した。

 Legacy Effectsのパペット操縦士セス・ヘイズは「俳優が演じるとき、実際に“本物のスティッチ”がそこにいることが重要でした」と振り返る。特に当時6歳の新人子役マイア・ケアロハがリロ役を演じるにあたり、目の前に存在するパペットのスティッチが芝居を自然に導き出す大きな助けになったという。また、シャムウェイも「非常に精巧なパペットが撮影現場にいたおかげで、俳優たちはパペットを本物のスティッチとして受け止め、そこに本当にスティッチがいるかのように演じることができたんです。実際の映像ではパペットはすべて取り除かれて、スティッチはCGで作り上げたのですが、パペットの存在がアニメーターの作業を何倍も簡単にしてくれました」と、実写現場でのパペットの効果を強調している。

 リロ役のマイアがスティッチとまるで本当に会話しているかのように自然に芝居を重ね、そこにCGチームがさらなる命を吹き込んだ。視覚効果を担当したILMは、毛並み、耳、瞳など細部にまで徹底してこだわったそうで、シャムウェイは「オリジナルの動きとリアルな存在感のバランスは紙一重だった」と制作の難しさを語りつつ、「このキャラクターには細心の注意と情熱を持って挑みました。スティッチは長年多くの人々に愛されてきたキャラクターですから、正しく描かなければというプレッシャーも大きかったですが、多くの才能あるアーティストが時間をかけ、たっぷりと注意を払って作り上げたことで、最高の形で着地できたと誇らしく思っています」と自信をのぞかせた。

■公開情報
『リロ&スティッチ』
全国公開中
キャスト:クリス・サンダース(スティッチ役)、マイア・ケアロハ(リロ役)
監督:ディーン・フライシャー・キャンプ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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