本田響矢“沼”から抜け出せない! 『めおと日和』『すぱいす。』でみせる異なる純真さ
そんな“瀧昌さま”として人気を集めている本田だが、2025年春クールはもうひとつの出演作が同じ木曜日に放送されている。それが、大人気ドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)を企画したプロデューサーのもと制作されたドラマ『すぱいす。』(BS-TBS)だ。
地産地消で作られるさまざまな種類のスパイスカレーを楽しめるグルメドラマであり、日本の各地をキッチンカーでめぐるロードムービーでもある本作は、三者三様の理由から人生の岐路に立つ20代の若者3人の葛藤を描くヒューマンドラマでもある。
本田はそんな3人組のうちのひとりで、その場の空気に流されて、無気力に生きてきた青年・祐樹を演じている。カレーの作り手である晃(奥野壮)や理想に向かって突き進まんとする奈月(吉田凜音)とは違い、祐樹は自身が特段、この場所で貢献できていないことにコンプレックスを抱いている。お調子者でムードメーカーとして振る舞いながらも、等身大の弱さを隠さない役柄で、その塩梅を表現するのが難しいキャラクターだ。
しかし、祐樹がわんぱくにカレーを頬張る場面では、彼の純粋無垢な部分がパッと花開くようにして表情に現れる。一方で、居なくてはならない存在として自身の役割を果たすふたりを見て嫉妬を抱きながらも、思うように目標が定まらずに思い悩む姿もリアルで、3人のなかでもっとも共感を抱いてしまった。
『めおと日和』の瀧昌と『すぱいす。』の祐樹は、同じ役者が演じているとは思えないほど、本田の役作りによって異なるキャラクターとして映し出されている。同時期に同じ曜日で放送される作品で、これほどまでに異なる役柄を演じることも珍しい。それでも、奥に秘める純真さを漂わせながら、それぞれの世界で彼の魅力が爛々と輝いているのが伝わってきた。
『すぱいす。』が次回で最終回を迎えるなか、『めおと日和』第6話では、深見と芙美子(山本舞香)が喫茶で対面する様子を、瀧昌となつ美が変装して見張るシーンが描かれる。
偵察のつもりがデート気分で浮かれてしまうふたりを観ていると、「どうにかその初々しい距離感のままで……」と願わずにはいられないが、徐々に仲が深まっていく様もまた感慨深いものがある。どちらにしても、ふたりの仲睦まじい姿をずっと見守ることができるならば本望である。
凛とした表情も、コミカルな演技も、さまざまな角度から本田の芝居を楽しむことができるふたつの木曜ドラマ。この沼に浸かるなら、今しかないだろう。
西香はちによる同名コミックを原作としたハートフル・昭和新婚ラブコメ。昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描く。
■放送情報
『波うららかに、めおと日和』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:芳根京子、本田響矢、山本舞香、小関裕太、小宮璃央、咲妃みゆ、小川彩(乃木坂46)、戸塚純貴、森カンナ、高橋努、紺野まひる、生瀬勝久、和久井映見ほか
原作:西香はち『波うららかに、めおと日和』(講談社『コミックDAYS』連載)
脚本:泉澤陽子
音楽:植田能平
主題歌:BE:FIRST「夢中」
プロデュース:宋ハナ
演出:平野眞
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/meotobiyori/
公式X(旧Twitter):https://x.com/meotobiyori
公式Instagram:https://www.instagram.com/meotobiyori/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@meotobiyori