『魔物(마물)』はただの“マクチャンドラマ”ではない 塩野瑛久が成立させた“ありえない男”

 そして、第3話の放送の終盤、オリジナルドラマだけに、考えてもいなかった展開が起こる。

 あやめと凍也は、一時は距離を置こうとしていたが、その後、あやめが家族から結婚のプレッシャーをかけられていたところから、連れ出してくれたりもして、お互いに愛情を感じあい、一緒にいないときも、SNSで「会いたい」と気持ちが抑えられないほどの関係性になっていく。そして、それはあやめがウキウキしながら凍也のもとに行ったときに起こる。

 凍也が突然、その暴力性をむき出しにするのだ。あやめは仕事での接待が終わらず、予定の時刻よりも遅く彼の元に到着すると、凍也は突然あやめの髪を引っ張り、殴打を繰り返す。

 おまけに凍也のセリフはくぐもっていて明瞭に聞こえないので、何にここまで怒っているのかもわからなくて恐怖が増す。彼の暴力のスイッチが入る何かがあるのか、それとも計画的なことなのか、気になって仕方がない。実は、「マクチャンドラマに、いまさらハマったりすることはないだろう……」と思っていた自分がいたのだが、久々に、そうも言えなくなってきている。

魔物(마물)

テレビ朝日が、韓国のスタジオ・SLLとタッグを組んで送る日韓共同制作オリジナルドラマ。不倫、DV、セックスなど愛と欲望にまつわる過激なテーマを掲げたラブサスペンス。麻生久美子と塩野瑛久が初共演にして濃厚なシーンに臨む。

■放送情報
『魔物(마물)』
テレビ朝日系にて、毎週木曜23:15~24:15放送
出演:麻生久美子、塩野瑛久、北香那、神野三鈴、佐野史郎、大倉孝二、落合モトキ、宮本茉由、宮崎吐夢、うらじぬの、若林時英
原案:シン・ウニョン
脚本:関えり香
監督:チン・ヒョク、瀧悠輔、二宮崇
音楽:jizue
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)、パク・ジュンソ(SLL)
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)、チェ・へウォン(SLL)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、イム・チョヒ(SLL)、河野美里(ホリプロ)
制作著作:テレビ朝日・SLL 
制作協力:ホリプロ
©テレビ朝日・SLL
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/mamono/
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