『あんぱん』戦争が生み出す“のぶ×嵩のすれ違い” メイコ×健ちゃんの関係が意外に進展?
豪(細田佳央太)が戦地から無事に戻ってきたら蘭子(河合優実)と結婚するという約束を交わし、旅立った。そのことがきっかけで国のために命がけで働く人たちへの感謝が募り、ひいては愛国心に芽生えたのぶ(今田美桜)は東京で自由を謳歌する嵩(北村匠海)と対立する。NHK連続テレビ小説『あんぱん』第7週が幕を開け、初日の放送となる第31話では素直になれない2人のもどかしいすれ違いが描かれた。
のぶが発案した慰問袋の件で、戦地から女子師範学校に感謝状が届く。少し前まで学校で落ちこぼれ扱いされていたのぶは一転して、模範的な生徒として讃えられるように。その活躍ぶりは新聞を通じて地元にも伝えられ、夏休みを利用して帰省したのぶはみんなから讃えられる。
そのことにおそらく複雑な感情を抱いているのが、“ヤムおんちゃん”こと草吉(阿部サダヲ)だろう。日本が戦争へと突き進んでいく中、折につけて反対の姿勢を見せてきた草吉だが、その過去は未だ謎。ただ銀座のパン屋で働いていた過去があり、その期間に何かしら戦争に関する苦い経験をしたと思われる。のぶは草吉の過去を詮索し、羽多子(江口のりこ)から「誰でも知られとうないことはあるがやき」とたしなめられるのだった。
本作はたとえヒロインであっても、長所と欠点の両方をしっかり描く。好奇心が旺盛で活発なところはのぶの良いところだが、反面、何でも首を突っ込みがちでハラハラするところも。また、こうと決めたら突き進むまっすぐな性格は頑固さと裏腹だ。嵩と電話で喧嘩になり、自分が正しいと思いながらも少し言い過ぎたと反省するのぶ。
そんな中、蘭子づてに嵩も帰省することを知る。仲直りの絶好のチャンスだが、のぶは駅まで嵩を迎えに行かなかった。豪に思いを伝えられずにいた蘭子に告げた「心に思うちゅうことを伝えんがは、思うちゃあせんのと同じことやき」という言葉が己に跳ね返ってくる。もしかしたら姉妹の中で一番素直じゃないのはのぶなのかもしれない。