山寺宏一はなぜ朝ドラに呼ばれ続けるのか? 声優のドラマ出演が相次ぐ中、群を抜く理由

 そして今回の座間晴斗役。なぜこういったキャラクターに山寺が起用され続けるのか考えたところ、やはり声優としての活躍が起因していると筆者は思う。

 山寺は1985年、OVA『メガゾーン23』の中川真二役で声優デビュー。その後、『新世紀エヴァンゲリオン』『カウボーイ・ビバップ』『それいけ! アンパンマン』『かいけつゾロリ』『ルパン三世』など数多くのアニメ作品に出演し、さらにディズニー作品の吹き替えにも引っ張りだこ。人間から動物、架空の生き物まで様々なキャラクターを演じ分け、多岐にわたる声色を使いこなせることから「七色の声を持つ」とも言われている。

山寺宏一が語る、動物キャラを演じる面白さ 『映画 ねこねこ日本史』の「素敵なアイデア」とは?

『映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~』が2月22日に公開された。  現在、NHK Eテレにてアニ…

 山寺のすごいところは「有名な作品に出ているから」「皆が知っているキャラクターを演じているから」ではない。特徴的な声を武器にする声優がたくさんいる中で、山寺は際立って特徴のある声ではないのだが、人々の心に強く印象付ける理由は「表現力」。演じるキャラクターの特徴を掴み、「印象的」に仕上げる表現力が抜きん出ているのだ。

 そうして山寺に備わったのは、役を演じる説得力。それが、朝ドラ主人公たちに影響を与えるキャラクターに抜擢されることへと繋がっているのではないだろうか。

 声優ブーム真っ只中の現在、話題性を狙い、多くの実写ドラマ作品が声優を起用している。それでも山寺が呼ばれ続ける理由は、これまでの声優活動で身につけて来た、突出した表現力にあると思う。

 『あんぱん』ではどのような表現で、嵩に影響を与えた「説得力」を見せてくれるのか。楽しみでならない。

参照
https://realsound.jp/movie/2024/11/post-1843717.html

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

 

関連記事