『魔物(마물)』塩野瑛久から漂う“危うさ”と“無邪気さ” 『光る君へ』からイメージ一変

 演じる塩野瑛久と言えば、NHK大河ドラマ『光る君へ』(2024年)での一条天皇で広く世間にも注目された。その高貴な雰囲気から一変して、本作では危うく魅惑的な人物を演じている。不意に後ろから現れる凍也の、一条天皇と大きく違うのは眼差しの力強さ、そして甘く悪戯な笑み。突如として猛スピードで突っ込んできた自転車や、暴れ回るホースの水から、凍也は王子様のようにあやめを守ってくれる。ビニール傘を差しながら、凍也があやめの肩に手を置くシーンは、危険な恋の始まりを告げる、本作を象徴するショットだ。はっきり言ってしまえば、この洒落た画作りが、日韓共同制作であることを物語っているようにも思える(ここでOST(オリジナルサウンドトラック)として流れるtonun「触れていたい」もバッチリ)。

 一方の麻生久美子は、NHK連続テレビ小説『おむすび』(2024年度後期)での母親役から、一変しての愛と欲望にまつわる過激なテーマを描く本作に挑んでいる。「見てみたいな。あなたのもっと他の顔」という凍也の言葉にドキッとするあやめ。凍也が見せる子供のような無邪気な笑顔に、あやめも徐々に心を許していくのだった。

 物語が急変するのは、あやめの恩師である大学教授・名田奥太郎(佐野史郎)が何者かに殺害される事件の発生。その容疑者として逮捕されたのは凍也で、その弁護をあやめが担当することになる。第1話の冒頭とラストで描かれているのは、法廷の被告人席に座るあやめの姿。「あれは、何のために犯した罪だったんだろう」「それは愛していたからです」とこれからの展開を想起させるあやめのセリフが放たれている。

麻生久美子、『魔物(마물)』で新境地か 朝ドラから一転の“愛と欲望”に歪んだ表情に注目

またも危険な香りの漂うドラマがはじまるーー。そう、麻生久美子が主演を務める『魔物(마물)』(テレビ朝日系)のことである。何やら本…

 予告では、すでにあやめと凍也の濃厚なラブシーンが映し出されており、ここから物語が加速していくことを予感させる。「テレビ朝日 × SLL」による日韓共同制作のラブサスペンスが、幕を開けた。

魔物(마물)

『ドクターX』のテレビ朝日が、『梨泰院クラス』を手がけた韓国のスタジオ・SLLとタッグを組んで送る日韓共同制作オリジナルドラマ。不倫、DV、セックスなど愛と欲望にまつわる過激なテーマを掲げたラブサスペンスで、麻生久美子と塩野瑛久が初共演にして濃厚なシーンに臨む。

■放送情報
『魔物(마물)』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15~24:15放送
出演:麻生久美子、塩野瑛久、北香那、神野三鈴、佐野史郎、大倉孝二、落合モトキ、宮本茉由、宮崎吐夢、うらじぬの、若林時英
原案:シン・ウニョン
脚本:関えり香
監督:チン・ヒョク、瀧悠輔、二宮崇
音楽:jizue
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)、パク・ジュンソ(SLL)
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)、チェ・へウォン(SLL)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、イム・チョヒ(SLL)、河野美里(ホリプロ)
制作著作:テレビ朝日・SLL 
制作協力:ホリプロ
©テレビ朝日・SLL
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/mamono/
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