『キミプリ』紫雨こころが本格登場! アイドル×ファンが生む“幸福な関係性”
『キミとアイドルプリキュア♪』(以下、キミプリ)第6話「心キュンキュンしてます!?」では、紫雨こころを中心に、アイドルという存在の意味やファンとの関係性を深く掘り下げたエピソードが描かれた。アイドルをテーマにした時点である程度は予想できていたことだが、第6話でもアイドルとファンの関係性がテーマとなっていた。
咲良うたと蒼風ななより一つ下の中学1年生のこころは「キュアアイドル&キュアウインク研究会」の会長として、仲間たちとともにアイドルの魅力を追い求めていた。彼女にとってアイドルとは憧れであり、日々の生活に活力を与えてくれる存在だ。そんなこころの情熱に惹かれたのが、妖精のプリルンである。プリルンはこころのアイドル愛に興味を持ち、こっそり研究会の活動を見学するが、その後、アイドルショップで鉢合わせてしまい、キラキランドの妖精であることを知られてしまう。
第6話では、アイドルに心から憧れるこころの姿が描かれた。それはただのファンとしての視点ではなく、彼女自身がアイドルに近づきたいという願いを持ち、努力していることを示していた。
こころはいわば“夢を追いかけるファン代表”。彼女はただアイドルを応援するだけでなく、その魅力を広めることにも情熱を注いでいる。ファンがただ受け身で消費する存在ではなく、アイドルとともに物語を作っていく存在であることを体現しているのがこころなのだ。アイドルという存在は、単に優れたパフォーマンスを見せる者ではなく、その裏側にある努力や葛藤を知ることで、より輝きを増していく。そして、ファンが全力で応援することで、アイドルはさらに成長し、輝きを増すという構図が見えてくる。
アイドルが輝いて見えるのは、その裏に膨大な努力があるからでもある。ステージに立つうたとななは、ファンにとってはキラキラとした理想の存在に映るが、実際にはレッスンやトレーニング、時には挫折を乗り越えてステージに立っている。ファンがアイドルに夢中になるのは、その努力を知っているからこそだろう。表向きは華やかで楽しげに見えるパフォーマンスの裏に、血の滲むような努力がある。実際に第6話のラストではこころがプリキュアたちの活動を目の当たりにして、アイドルという夢への挫折が描かれていた。