『アンサンブル』は親子関係が焦点に　“過干渉”“義理の親”問題をどう乗り越える？

　『アンサンブル』の場合は、第7話で描写されていたように、ケイは明らかに優をいらないと言っている。また会いたいと言い出しているのは、「子供に捨てられたくない」という感覚の表れだろう。そして、そういった行動をしているもう1人の母親が、咲良の母である木原美沙希（市川由衣）だ。宇井家と真戸原家の問題が並行して描かれることで、祥子とは対照的な「子を捨てた母」の内面が浮かび上がってくる。

　こうして振り返ると、『アンサンブル』はリーガルラブストーリーと言いながら、親と子供の関係にも焦点を置いていることが分かる。優が抱えるトラウマの大きさからみるに、物語の後半は、優が自分の母親とどのように区切りをつけるかが見どころになりそうだ。松村北斗の芝居の魅力が存分に発揮される展開を期待したい。

■放送情報
土ドラ10『アンサンブル』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00～22:54放送
出演：川口春奈、松村北斗（SixTONES）、板谷由夏、長濱ねる、じろう（シソンヌ）、東野絢香、橋本マナミ、SUMIRE、戸塚純貴、横田真悠、田中圭
脚本：國吉咲貴、諸橋隼人、ニシオカ・ト・ニール
監督：河合勇人ほか
チーフプロデューサー：松本京子
プロデューサー：後藤庸介、大倉寛子、金澤麻樹
音楽：澤田かおり
主題歌：aiko「シネマ」（PONY CANYON）
制作協力：日テレアックスオン
©日本テレビ
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